2025年7月5日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【伊東豊雄「せんだいメディアテーク」×知花くらら】

出演者
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(オープニング)
今回は…

今回は伊東豊雄のせんだいメディアテークを知花くららと巡る。

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せんだいメディアテーク仙台市(宮城)地下鉄サリン事件阪神・淡路大震災
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
せんだいメディアテーク×知花くらら 建物にあるべきモノが…

宮城県・仙台市の仙台駅から歩いて20分後の場所にあるせんだいメディアテークにやってきたのは知花くらら。伊東豊雄設計のせんだいメディアテークは地上7階、地下2階建てで図書館や美術、映像に関する展示機能を備えた公共施設。最大の特徴は、建物を貫くチューブと呼ばれる筒状の構造体。それが建物を支えている。いわゆる柱は存在しない。柱だけでなく空間を仕切る壁もない。あるのはガラスの外壁と床。ふしぎなチューブのみ。太さも形も異なるチューブは、全部で13本。このチューブは柱のかわりに建物を支えているが、それだけではない。階段はチューブの中にあり大小のチューブの中にはエレベーターや上下水道や電気などあらゆる機能が組み込まれている。3階の図書館は仕切りのないフロアにはチューブの樹木が。

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せんだいメディアテーク仙台市(宮城)仙台駅
せんだいメディアテーク 建築家が自ら語る!

せんだいメディアテークを設計したのは伊東豊雄。手掛けた建物はいずれも、見る人の心を揺さぶる。多摩美術大学 八王子図書館はしなやかなアーチがつらなって深い森を散策しているような学びの場。杉並区立杉並芸術会館の座・高円寺は可愛らしい温かな光が来場者を包み込む。大阪・関西万博ではメインとなる催事場の設計も。今も第一線で活躍する伊東の原点はせんだいメディアテークだった。

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2025年日本国際博覧会EXPOホール-シャインハットせんだいメディアテーク仙台市(宮城)多摩美術大学座・高円寺杉並区立杉並芸術会館

せんだいメディアテークの7階に到着。市民が自由に使えるスペースになっている。チューブを覗いてみると、外の光を建物の奥深くに取り入れる機能がチューブにはある。伊東の人生を変えて世界の建築の歴史を変えたせんだいメディアテーク。

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せんだいメディアテーク仙台市(宮城)
せんだいメディアテーク 前代未聞の設計コンペ

1994年、仙台市は文化活動の新たな拠点となる施設を作るため、建築家たちが設計案を競い合うコンペを行った。審査員の顔ぶれに参加者は奮い立った。建築会のカリスマの磯崎新は水戸芸術館は革新的な設計を次々に問い続けてきた。他にも建築史家の藤森照信、メディア研究の月尾嘉男などの顔ぶれが集まった。磯崎は応募要項にメディアテークという未知の建築形を探るとしたが、全ての市民に開かれた新しい公共建築の形を提案。どうしても勝ちたい理由が伊東にはあったという。

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せんだいメディアテーク 誰のために建てるのか

1941年に実業家の息子として生まれた伊東豊雄。東京大学の建築学科を卒業後にメタボリズムの理論派で独創的な建築を数多く残した菊竹清訓の元で学んだ。1970年に30歳で事務所独立。住宅のシルバーハットの斬新な設計で日本建築学会賞を受賞。八代市立博物館をかわきりに公共建築の設計も行った。しかし失意に落とす出来事は、自分の設計した建物に向かうためにタクシーに乗って行き先を告げた時、タクシー運転手が外観はユニークだが中はつまらないと話したこと。伊東は悔しかったと当時の心境を語った。実際に使う市民にそっぽを向かれる建築に意味があるのか?

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せんだいメディアテーク 未来の建築を選ぶ戦い

せんだいメディアテークの設計コンペでは235点の応募作を集めた。コンペは前代未聞で、市民がその様子を映像で見守るという透明性が貫かれた。審査員の藤森照信は、カメラが入って驚いたというが解説者もいてどういう状況なのかを解説していたというが相当プレッシャーに感じたという。審議を重ねた結果最終に残ったのは3案。田島夏樹のやわからな膜が包む情報の器は建物全体を本に見立て、各部屋がまるで物語を語るように構成した。2人目の案は古谷誠章の偶然の出会いを生む錯綜の杜。情報が簡単に手に入る時代にあえて現場に足を運び偶然の出会いを大切にする人や情報が自由に行き交う。そして伊東豊雄が提案したのは水平の薄い床を植物のような有機的なチューブが連なる柱も壁もないみたことのない設計に。現代建築の祖のル・コルビュジエが提唱した建築理論のドミノ・システムは床や柱、階段の3つのみの建物の基本的な構造として考えるモダニズム建築の原則。柱には見えないチューブと、あまりに薄い床で補正さえ、伊東案はドミノ・システムの究極最終的に古谷案か伊東案かで議論は白熱した。その結果伊東案が多数決で採用された。

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せんだいメディアテーク 美観の秘密は「床」

せんだいメディアテークは床が薄い。大抵のビルでは、天井の床の間に梁を巡らせて強度を保つ。せんだいメディアテークにはその梁がなく特別な方法が用いられる。薄い鉄板に補強材を組んで更に鉄板で覆っている。それを完全に溶接して一つの拾いフロアにした。この美しい姿を可能にした高度な溶接の技術。

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せんだいメディアテーク 造船の技術が建物に

宮城県気仙沼市にある高橋工業は繊細な造船の溶接を行ってきた。社長の高橋さんは溶接工としてせんだいメディアテークの現場に参加した。鉄のクセを見越して行う溶接は経験と勘の極み。建物は中の丸見えのガラス張り。全ての溶接痕を美しく仕上げる必要があった。特徴あるチューブの溶接。建物全体を溶接した長さは気仙沼から東京までの距離の500kmにも及ぶ。コンペから5年で完成した。

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せんだいメディアテーク 建築の歴史が変わった

せんだいメディアテークは2011年に仙台を襲った巨大地震にも耐えて3カ月後には運営を開始。誕生から25年が経過し、そこには重い重のスタイルで過ごす市民の姿が。その後も建築と向き合い続けた伊東はたどり着いた境地へ。

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せんだいメディアテーク仙台市(宮城)
せんだいメディアテーク “外のない建築を創る”

伊東はその後海外でも活躍。しかしいつも心にあったのは、建築は使う人のためにあるということだったと話した。

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(エンディング)
次回予告

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