2025年6月21日放送 22:30 - 23:00 テレビ東京

新美の巨人たち
【北鎌倉「明月院」×近藤サト】

出演者
 - 
(オープニング)
今回は…

北鎌倉の「明月院」を近藤サトが巡る。

キーワード
北鎌倉(神奈川)明月院紫陽花
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
鎌倉特有の風土の中に古刹・「明月院」の美

鎌倉は市街地を山が三方から囲んでいるのが低い山の連なり。この地形が、鎌倉特有の風土と文化を育んできた。やつと呼ばれる谷に禅寺がいくつも置かれている。その中に臨済宗の古刹の明月院も。都心から1時間足らずの鎌倉駅。5分も歩けば道すがらに明月院が。明月院の境内は細長く、やつの奥へと伸びていく。両側は山で、ところどころに崖もみられる独特の景観で、明月院の美しさはこの地形と匠に共存することで保たれている。参道の手前で近藤サトが気づいたのは、山からの絞り水をひいてできた小川。この水こそ、明月院の美にとって欠かせないもの。

キーワード
円覚寺北鎌倉駅明月院横須賀線浄智寺鎌倉(神奈川)鶴岡八幡宮
鎌倉・初夏の風物詩 「あじさい寺」神秘のブルー

明月院では青一色の紫陽花の花畑をみることができ、およそ2500株。透き通るような青の美しさから、明月院ブルーと称えられている。紫陽花は半日陰と湿気を好む植物で、その点、明月院のような谷は木陰が多く日照時間も短めで山からの絞り水は湿気をもたらしているという。明月院は、紫陽花にとって絶好の環境。1990年頃の明月院には青一色の現在とは異なり、色とりどりで種類も多かった。

キーワード
明月院紫陽花

明月院の紫陽花は色も種類も様々な紫陽花を青一色の品種に統一したのは現在の住職。ヒメアジサイとは、植物学者の牧野富太郎が昭和初期に発見し名付けた日本の紫陽花。その花の色が真っ青。以来、住職が中心となり5年以上かけて挿し木で植え替えていった。梅雨空に映える青い海原をイメージしたという。紫陽花はアルカリ性土壌なら赤みを帯びて酸性なら青みに。鎌倉の土壌は弱酸性でヒメアジサイの青がより一層キレイに見えるという。明月院ブルーは今や鎌倉の初夏の風物詩に。

キーワード
ヒメアジサイ明月院牧野富太郎紫陽花鎌倉(神奈川)
「明月院」×近藤サト 風土が育む質素な美

明月院の石段は鎌倉石と呼ばれる、石の風情。鎌倉石はこのあたり一体の地盤を構成する砂岩の一種で柔らかく、加工しやすいために古より石塀や、石段になどに使用されてきた。すり減りやすいことに比べ水を吸収するためにコケが生えやすい。しっとりとした趣が紫陽花の青をより一層ひきたてている。近藤がやってきたのは「月笑軒」境内にある茶屋で、抹茶と和菓子をいただく。近藤は風情とともに味わった。

キーワード
抹茶と和菓子明月院月笑軒紫陽花
北鎌倉 明月院 900年の風雪に耐えて

境内の中ほどにある本堂。明月院の歴史は栄枯盛衰の物語。始まりは、1160年に建てられた明月庵が起源。その後、鎌倉幕府の最盛期を担った北条時頼がこの地に寺を建て隠棲した。一時廃れたものの、南北朝時代に三重塔を有するほど寺院に復興し、のちに規模が縮小したが今日まで存続している。そんな歴史の痕跡が、意外なところに。

キーワード
北条時頼明月庵明月院
墓所「明月院やぐら」幽玄なる空間

明月院のそばに崖に掘られた大きな穴はやぐらと呼ばれる墓地。およそ900年前に明月庵の創建と同じ時期に作られたという。2体の如来像と、左右の十六羅漢像は、穴をくり抜きながら浮き彫りにしたもの。山に囲まれ、平地の少ない鎌倉ではこんな岩壁を作って墓地にしていた。鎌倉石と同じ砂岩で掘りやすかった。このようなやぐらは、鎌倉全体で数百あると言われている。中でも明月院やぐらは鎌倉最大の規模。

キーワード
明月庵明月院鎌倉(神奈川)
古刹・明月院 “鎌倉十井”の一つ

明月院には井戸がある。鎌倉は山と海野距離が近いために水に苦労した土地。その中で美味しい水がかれずに組むことができる10本の井戸を鎌倉十井とよんで珍重した。その一つが瓶の井。水は今も利用できるほど澄んでいる。

キーワード
明月院鎌倉(神奈川)
「あじさい寺」×近藤サト 思いがけない美が

明月院には崖があり、近藤は植物が荒々しい場所に自生しているのが好きだという。谷に開かれた明月院の美。

キーワード
ヤマモミジ北鎌倉(神奈川)明月院
北鎌倉・明月院 あじさい寺に咲く花は⋯

鎌倉中に咲く花をと撮影する写真家の原田さん。明月院の魅力は様々な花が途切れることのないように1年中咲いているという。ヤマボウシやイワタバコなどがあり、シダレザクラなども美しいという。

キーワード
イワタバコシダレザクラシャガヤマボウシ明月院花菖蒲鎌倉(神奈川)
北鎌倉・明月院 本堂の裏手に美しき庭

北鎌倉の明月院はこの土地ゆえの苦難があった。大雨が降るたびに三方の山から流れ落ちる水が本堂の下をくぐり抜けて水浸しになってしまう。原因は本堂の裏手。沼地に雑木や竹が入るだけの荒んだ状態で保水力がなかった。そこで、京都の造園家の曽根三郎に相談した。現場を目にした曽根はこの谷の地形を活かさない手はないと話した。思いもかけない提案に造園プロジェクトがスタート。住職自らパワーショベルを操作し雑木を全て除去。水路を設け山からの絞り水を制御した。そんな苦労の末にできた本堂後庭園。その奥には枯山水の庭が。

キーワード
北鎌倉(神奈川)明月院曽根三郎
明月院・本堂後庭園 「花菖蒲」が季節を告げて

近藤サトが向かったのは本堂後庭園。花菖蒲の花畑があり、6月になると満開になる。かつて苦しめられた山からの絞り水が花菖蒲を養う。その谷に降り注ぐのはヤマボウシにミヤコワスレ。

キーワード
ミヤコワスレヤマボウシ明月院花菖蒲
明月院・本堂後庭園 もうひとつの絶景

明月院の丸窓からは谷からの風景が円の中に収まる。近藤は奥行きがあり、美しいと答えた。風景は四季折々に美しく、この窓の名は悟りの窓。

キーワード
明月院

明月院の庭園に向かって開かれた悟りの窓。近藤は作り込んでいながらも鬱蒼とした景色は鎌倉ならではと答えた。

キーワード
北鎌倉(神奈川)明月院
(エンディング)
次回予告

次回の「新美の巨人たち」の番組宣伝。

(番組宣伝)
スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~

スポーツ リアライブ~SPORTS Real&Live~の番組宣伝。

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.