天皇皇后両陛下はきょう、国賓として来日したブラジルのルーラ大統領夫妻を歓迎する行事に臨まれる。国賓来日は令和の時代になって2回目で、午前中にルーラ大統領夫妻が皇居に到着すると天皇皇后両陛下が出迎えられて、歓迎式典が行われる。続いて両陛下は大統領夫妻と会見し、ことばを交わされることになっている。夜には再び大統領夫妻が皇居宮殿を訪れ、両陛下主催の宮中晩さん会が開かれる。晩さん会では、天皇陛下が歓迎のおことばを述べられ、大統領もスピーチを行ったあと、フランス料理のフルコースがふるまわれる。コロナ禍を経て6年ぶりに行われる今回の晩さん会では、明治以来の伝統に変更が加えられるか注目されている。その1つが、メニュー。前回のアメリカのトランプ大統領夫妻を歓迎する晩さん会では、ヒラメのムニエルや牛肉のステーキのほか、大正時代に考案され定番となっている富士山の形をしたアイスクリームなどが出された。メニューは国賓の好みや宗教上の理由で食べられないものなどを考慮して決められるが、宮中の昼食会では近年、日本の文化を知ってもらいたいという両陛下の発案で、和食の前菜が提供されるようになっていて、晩さん会でも和食が出るか注目される。また、食事の配膳方式もポイントの1つ。宮中晩さん会では、好きな料理を好きなだけ食べてもらえるよう、メイン料理などは給仕する人が、数人分の料理を盛りつけた銀製の大皿を持って会場を回り、出席した人たちに各自で取り分けてもらう形で配膳が行われてきた。コロナ禍のあと先に再開された昼食会では、感染防止の観点から、一般のレストランのように厨房で1人分ずつさらに盛りつけて個別に配膳する方式に変更されていて、今回どのような形になるか注目される。