インド・総選挙は先月から投票が行われ、来月4日に一斉に開票される。モディ首相率いるインド人民党に対し、最大野党の国民会議派を中心とする野党連合が対抗している。今回各党が票を集めたいと力を入れているのが女性だ。近年政治意識の高まりなどから女性の投票率は男性を上回り有権者数も増えている。10年にわたって首相をつとめ3期目を目指すモディ首相は与党が選挙で圧勝できれば、女性たちを手厚く支援できると訴える。一方野党側は貧困家庭を支える女性たちに現金給付を行うなどの公約を掲げている。インドでは女性の社会的な地位の低さや男女間の不平等が指摘されている。オートリキシャで働く女性・スニタ・チョウダリーもそうした現実を感じている。スニタがニューデリーで初めて女性ドライバーになったのは20年前。現在でも女性ということで男性の乗客やドライバーから嫌がらせを受けることがあるという。それでも仕事を続けてきたのはスニタだと安心して乗ってくれる女性客がいたから。選挙では女性の地位向上を支える候補に投票したいと考えている。家庭をめぐる問題で女性の地位向上を目指すタルナ・セニは今回の総選挙をどう考えているのか。タルナセニは男性からの暴力を受けた女性を支援する活動を行っている。インドには結婚の時、妻側の家族から夫側の家族に多額の持参金や高価な品物を貢ぐダウリーという習慣がある。法律で禁止されているにもかかわらず各地で続いている。このダウリーが十分でないとして夫が妻に暴力を振るうケースが後を絶たない。タルナさんも夫の暴力の被害者で現在は夫から離れ訴訟を続けている。被害女性の中には夫から戸籍などの書類を返してもらえず、選挙カードが作れず投票に行けないケースもある。タルナさんは「自分の権利のために声を上げる女性たちにとって投票は大切。この投票が女性の地位向上につながるはず」と話した。