BRICS首脳会議についてリオデジャネイロから中継で伝えた。取材したブラジル市民からは中国やロシアに対する懸念の声がほとんど聞かれなかった。ルーラ大統領のロシア訪問は国内の政治家や専門家からは批判の声が出ている。ブラジル政府としては、あくまで多国間外交を展開しているつもりとしている。BRICSの枠組みを活用するためにも、ロシアとの関係性も一定程度必要になる。最大の貿易相手国・中国との間では経済的なパートナーとして関係を強化していくことに注力している。イギリスの経済誌「エコノミスト」にルーラ大統領の外交政策は一貫性を失っていると指摘されるなど、中国とロシア寄りに見えてしまっている側面もある。日本や欧米といった民主主義など基本的な価値観を共有する国々から理解を得るためにも、中国やロシアに対しても明確に言うべきことは言う姿勢を持ち出していけるかが重要。今後、BRICSは国際社会でどういった存在になっていくのか。専門家はBRICSは合意の形成が難しくなっている一方、多極化した国際秩序を求める国が連携を求める動きは今後も続き、BRICSは存在感を増していくと指摘している。BRICS首脳会議は明日も開かれ、パートナー国の首脳たちも交えて議論が行われる。