米国のバイデン大統領は21日午後Xで声明を出し、秋の大統領選挙での再選を断念し選挙戦から撤退する考えを示した。そして後任の民主党の大統領候補としてハリス副大統領を支持する考えを示した。バイデン大統領は、民主党や国にとっては私が選挙戦から退き残りの任期のまっとうに集中することが最良だと信じているとした。さらに、「民主党員よ、今こそ団結してトランプを打ち負かす時だ」としてハリス副大統領への支持を呼び掛けた。バイデン大統領は今週国民に向け、撤退するという決断について詳しく説明するものとしている。バイデン大統領は先月27日に行われた共和党のトランプ前大統領とのテレビ討論で言葉に詰まるなど精彩を欠き、その後民主党内などで撤退を求める声が急速に広がっていた。バイデン大統領は党の候補者選びで各州の代議員の90%以上をすでに獲得しており、来月中旬の民主党大会で指名を受諾する演説を行い正式な党の候補者になる予定となっていた。バイデン大統領の撤退により既に各州から選出されている約4000人の代議員は民主党内で今後募ることになる候補者に今後自分の判断で投票できるようになるものとみられている。大統領選挙の投票日まで約3カ月半との段階で、党の指名獲得が確実視されていた候補者が選挙戦から撤退するのは極めて異例。再選を目指す現職の大統領が選挙戦中に撤退するのはジョンソン大統領以来56年ぶりの事態。民主党の議会下院トップのジェフリーズ院内総務は声明を発表し、バイデン大統領は米国史上もっとも実績のある指導者の一人だとして、バイデン大統領の功績を称えた。一方トランプ前大統領は自身のSNSで改めてバイデン大統領を非難し、そのうえで、米国を再び偉大にするのだと投稿した。