北朝鮮と蜜月関係を築こうとするロシアの思惑について見ていく。CNNはウクライナの情報機関の分析として、北朝鮮が今後数か月間で2万5000~3万人の兵士を追加でロシアに派遣する準備を進めていると報じた。また、ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、ブルームバーグのインタビューで、弾道ミサイルを含むロシアの弾薬の4割は北朝鮮の供給によるものだと指摘した。今や欠かせない北朝鮮との関係を強化するため、ロシアの政府高官は頻繁に北朝鮮を訪問している。ロシアのショイグ安全保障会議書記は3月に1回、6月中に2回と、立て続けに北朝鮮を訪問。今回はラブロフ外相が訪問し、金正恩総書記との会談に臨んだ。ロシアのタス通信によると、ラブロフ外相はプーチン大統領の言葉として「ごく近い未来に直接対話ができることを強く望んでいます」と伝え、モスクワ訪問の調整を進めたという。拓殖大学・名越健郎客員教授は「北朝鮮はトランプ政権の関税政策などから、アメリカとの関係改善には利益が無いと判断し、実利のあるロシア寄りになった。ロシアとしてはその隙に金正恩総書記のモスクワ訪問をとりつけ、友好関係の象徴とすることで支援を盤石にしたいのでは」と分析している。また、ロシアの援助で北朝鮮が着実に力をつけていることも見逃せない。ウクライナの国防省のブダノフ情報総局長は、軍事メディアのインタビューで「ロシアは北朝鮮にドローンの製造施設の設置で同意した」と明かしている。これについて名越客員教授は「ウクライナ侵攻で北朝鮮はドローン戦の実戦経験を積んでいる。ロシアのドローン技術を得れば韓国はもちろん、日本も射程におさまる。実戦経験と製造技術が合わさることで大きな脅威となる」と分析している。
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