岸田総理はNATO首脳会議に出席した後ドイツで首脳会談を行い、一連の外交を終えた。岸田総理はショルツ首相との会談後の会見で防衛と経済安全保障の分野で連携を強化していくことで一致したと強調した。今回の外交での最も大きな成果は、ヨーロッパと米国の軍事同盟であるNATOとの間でロシアと北朝鮮の軍事的接近への危機感を共有したこと。さらに総理周辺は「NATOの加盟国はウクライナ戦争を通じ、ロシアと蜜月の中国を問題視する国が増えた。うねりを感じた」とふり返り、対中国についてもNATOの国々と懸念の共有が進化したと手応えを見せた。その上でNATOとの間で機密情報の共有システムの強化や偽情報への対応など、安全保障分野の連携を拡大することで合意した。外交で一定の成果を上げた岸田総理は帰国後、総裁選に向け自らの再選を目指した動きを加速させるとみられる。