多くの民族を抱える中国では言葉や文字というのが統治の手段として使われている。モンゴル国のウランバートルを歩くとキリル文字があふれていて、ロシアに来たのかという錯覚するくらい。これは史上2番目の社会主義国としてソビエトの強い影響を受けたからで、社会主義体制を生き延びるにはロシア語を学ばざるをえなかった。21世紀の今、今度は中国で習近平主席の偉大なる中華民族の復興の名のもとに急激な同化政策が進んでいる。内モンゴルだけでなく、チベット新疆ウイグルには多数派を占める漢族が流れ込んで少数民族の人たちも北京語をしゃべらないと生活ができないくらい。忘れてならないのは、一度失われた言葉や文字は取り返すことが非常に難しい、多様性とは全く逆の同一化、同質化の動きがどう進んでいくのか、隣国に住む私たちは見守る必要がある。