クアラルンプールからの中継でアジア総局の青山悟が報告。ASEAN側がトランプ大統領に花を持たせようとしているのは、良好な関係を築きたいという強い思いの表れ。トランプ政権はASEAN各国に高い関税をかけていて、関税によってさらなる負担を強いられることへの警戒感がある。タイとカンボジアの衝突をめぐっても当初、両国は36%の関税をかけられていた。トランプ大統領が仲介した停戦の後には19%に引き下げられた。トランプ大統領が首脳会議に出席したことで一定の信頼を勝ち取ることができたとASEANは考えているはず。一部の国はアメリカと重要鉱物に関する協定を結んで経済的な結びつきを強めていくことになった。一方、ASEANにとって最大の貿易相手国である中国との関係をどうしていくのかも重要な課題。習近平国家主席は今年4月、ベトナムやマレーシアを相次いだ訪れ、トランプ関税を念頭にASEANに連携を呼びかけた。ただASEANは南シナ海で海洋進出する中国に対して懸念も深めている。伝統的に特定の国の影響力が強まることを嫌う傾向があり、バランス外交を駆使して立ち回っていくことになりそう。
