今マッチングアプリなどを使ったロマンス詐欺が急増中。今年1月～10月の被害総額は約311億円。マッチングアプリでしずく容疑者に出会い500万円を振り込んでしまった被害者Aさん。ホテル代と交通費の10万円を貸してほしいというのが始まりだった。Aさんは容疑者が送ってきた顔写真と保険証で信用し15万円を振り込んだ。するとその後も何度もお金を要求され、求められるまま振り込むうちにAさんは預かっていた親の金にも手を付けてしまった。しずく容疑者とやり取りをするうちにAさんは金の要求に応じなければこれまでに振り込んだ金が返ってこない思わされてしまったという。
しずく容疑者の詐欺の手口は子どもを使って情に訴える・「死」をにおわせる・タイムリミットを設定することなど。その結果、Aさんは貸した金を取り戻すために要求に応じて振り込んでしまった。全財産を失い目を覚ましたAさんは金を取り戻すと決意。しかし容疑者と会う約束をしても必ずドタキャンされ、教えられた職場や住所は嘘ばかり。2021年1月、Aさんは知人とともに保険証の住所を訪ねた。両親に話を聞くとお金を貸した方が他にも来ていることが分かった。Aさんはすぐに警察に行ったが取り扱ってもらえなかった。
Aさんは被害者の会を立ち上げ他の被害者と協力することにした。2021年9月、Aさんは被害者Bさんと対面。Bさんは3日間で60万円を振り込んでしまったという。我が子をダシにした手口で詐欺を繰り返す容疑者だが、父親によるとしずく容疑者は子どもを実家に残したまま出ていったという。番組スタッフはアプリ上でコンタクトを取ったところいきなり死をちらつかせるパターンで返信が返ってきた。被害者の一人が容疑者に「被害届を出した」と言ったところ、他の被害者にも突然返済を申し出てきたという。専門家によると返済意思があるという証拠を残しておくためだと指摘する。
被害者Dさんの元にはしずく容疑者の関係者からもタレコミが届いていた。そうした情報を一つ一つ訪ね歩き、しずく容疑者の居場所を捜す。被害者Eさんが弁護士を通じて入手した住民票で張り込みをしたが住民票の場所には住んでいないことが判明。2021～2022年にかけて提供された情報を基に各所で張り込みや調査を続けた。だが当時はほとんどの人がマスクをしておりしずく容疑者の特定は困難を極めた。2023年、Dさんの元にしずく容疑者と面識があるという人物から有力情報が届いた。そして6月、歌舞伎町で張り込みを開始したところしずく容疑者と思われる女を発見した。