米国・ペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置く、日本製鉄が買収を目指しているUSスチール。ワシントンポストによると買収計画を巡って米国のCFIUS・対米外国投資委員会が審査を行っていたが一致した結論に至らずバイデン大統領に判断が委ねられた。エンパイア・ステートビルの建設に鉄鋼が使われるなど米国の発展に貢献してきたUSスチールは海外メーカーとの競争に負け続け、2006年に6位だった生産量は去年24位まで下落した。買収はUSスチール側にとっても望ましいものだったはずだった。トランプ次期大統領が「日本がUSスチールを買収するなら直ちに阻止する」と発言、バイデン大統領も「安全保障上の問題がある」として買収に否定的な立場を示している。早稲田大学教授・中林美恵子教授は「買収の案件が米国大統領選挙にぶつかってしまった。USスチールがあるペンシルベニア州を落としたくない両候補がいて労働組合など大きな票をとるために反対の声をあげた。バイデン氏は選挙中に反対だと繰り返している。これを覆すのは選挙で選ばれた人としては難しいのでは」などと話した。