やって来たのは日本有数のみかんの産地・三ヶ日町である。生産者の高橋良旨さんは3代続くみかん農家である。この日は収穫最盛期でおよそ20人がかりでみかんを一気に摘み取っていく。武藤十夢も収穫を体験することとなった。2度切りと呼ばれる作業はみかんを傷つけないようにギリギリで切るのがとにかく難しいという。武藤十夢はベテランの皆さんに圧倒されながらも20個ほど収穫できていた。ここで「軸が太い・細い 甘いのはどっち?」のクイズ。正解は「軸が細いみかん」であった。軸が太いと水分を多く吸収し味が薄まるため軸が細いほうが水分が適度で甘くなりやすいという。高橋さんは収穫したみかんのうちおよそ3分の2を貯蔵していた。収穫した後木箱に入れて貯蔵するが、みかんは収穫後も呼吸を続けておりそのエネルギー源となるのが甘みの元となる糖と酸味の元となるクエン酸である。クエン酸は糖よりも早く消費されるため、貯蔵したほうが甘さが引き立ちまろやかな味わいになるという。また腐ったみかんが1個あるとほかのみかんも腐ってしまうため、原因となる傷などがないか見極めるのが大切となる。他にもみかんの鮮度を保つため貯蔵庫内では様々な工夫がされていた。適度な温度や湿度を保つために空調設備を整え、空気が常に循環するようにしていた。そして最もこだわっているのが「オゾン」でありみかんなどの植物から発生するエチレンガスは熟成を促す一方で腐敗の原因にもなるが、このエチレンガスを分解しみかんの鮮度を保ってくれるのが低濃度のオゾンだという。高橋さんはこのオゾンをいち早く取り入れ、今では三ヶ日町の他の農家さんも使っているそうである。コストが高くなり値段も高くなることが多いが、高橋さんには特別な思いがあった。「次も買ってこのみかんを食べたいと思うようなみかんをつくるのが大きな目標」とのことだった。また三ヶ日町の柑橘選果場は国内最大級で多いときには1日で500トンのみかんが運ばれてくるという。中でも最大の特徴が数万点の画像データを学習したAIが人の目ではわからない傷や病気をチェックすることである。その速さは1秒間に200個以上だという。出荷作業の自動化によって生産者の高齢化などの課題にも対応していた。
