今年1月、10日かけて屋根全体に茅を葺く作業が終わった。グシという作業は、屋根の一番上の部分は棟と呼ばれている。雨風の影響をもっとも受け得に痛みやすい。一般的な戸建て住宅では棟板金と呼ばれる金属の板をかぶせて瓦屋根では、棟瓦で補強している。茅葺屋根では、棟を雨風から守るための作業を棟仕舞いという。筑波大学の安藤邦廣名誉教授に、まずは母屋の現状を見てもらうと、縄文の家屋を復元したと思うほど自然な形になっているという。棟仕舞いについては棟は建物の顔であり、風が強いと棟だけが吹っ飛ばされるという。飛ばないようにする方法には種類があり、一つは重しでおさえる。千木という形を造り、棟をおさえるのがポピュラー。棟仕舞いは下地に縫い付け、補強に竹などを被せて隠す。また千木ではなく土の塊でその重さで押さえつけるやり方も。棟を土で抑える方法の芝棟では、土が飛んでいってしまうので植物の根っこで土を押さえと強度が増すという。