富士山が大噴火したら、住民がとるべき行動とは。今日公表された報告書で浮き彫りとなった課題はその火山灰の量。東京ドーム約400杯分になると言われている火山灰の処理には数十年かかるとみられている。111もの活火山がある日本列島の最高峰・富士山がいつ噴火してもおかしくない状況といわれている。前回、富士山が噴火したのは1707年。同じ規模の噴火が起きた場合、首都圏は降り積もる火山灰により、甚大な被害が出ると想定されている。大規模な停電が発生、通信障害が起き、水道は使用制限に。鉄道は地上路線が停止する。積もる火山灰は神奈川県相模原市で30cm。約95km離れた東京・新宿では10cmと想定されている。火山灰が10cm堆積した坂道を車で走行した実験映像では、二輪駆動だとタイヤが空回りしてしまう。雨が降った場合は3cmほどで走れなくなるという。交通障害により物資の配送が滞り、生活物資の入手が困難になるとみられている。備蓄や避難などはどうすればいいのか。内閣府は有識者検討会で検討を続け、今日その報告書を公表した。報告書では、降り積もった灰の量や被害に応じて4つのステージに分け、積もる灰の量が30cm以上のステージ4では、全員が地域外への避難とする一方、ステージ3以下では原則として自宅などでの生活を継続するとした。人口が非常に多い首都圏では、全員の避難が現実的ではないことが理由。最も大切なのは十分な備蓄だと委員を務めた専門家は指摘する。更に難題なのが火山灰の処理。その量は約4.9億立方メートル。東京ドーム400杯分ほどに上るとみられているが、東日本大震災の災害廃棄物の約9割の処理を終えるのにかかったのは3年。その10倍の量の火山灰を処理するとなれば、数十年単位となるとみられる。