国の重要文化財に指定されている京都・木津川市の岩船寺の三重塔で、壁画が特別公開されている。岩船寺は聖武天皇が命じて建立されたと伝えられ、三重塔は室町時代に再建され、三層の四隅には「隅鬼」と呼ばれる鬼が配置されていることで知られている。特別公開では1番下の層に入ることができ、復元された内部の壁画を見学できる。8枚の扉には方角を守るとされる八方天が、赤や緑などの極彩色で1体ずつ描かれ、細部に施された金箔で暗がりでも浮かび上がるように見える。中央の壁画には釈迦の弟子たちが穏やかな様子で集う「十六羅漢図」が描かれる一方、背面に回り込むと「五大明王像」が現れ、対照的な世界が描かれている。特別公開は来月6日まで行われる。