あす12月8日は日本が太平洋戦争に突入した真珠湾攻撃から83年。ロシアのウクライナ侵攻や中国の海洋進出で、日本の防衛は根本から見直しを迫られている。劇的に変化する安全保障環境、現場からの報告。弾薬68t、8億円以上をかけて富士山の麓で毎年行われる陸上自衛隊・総合火力演習。50両の戦車なども参加。7年前防衛交流で来日したある人物が戦車の射撃訓練の視察を強く希望し、この演習場を訪れた。現場では戦車の重量や弾薬の種類など熱心に質問。彼の名は、ロシア軍のトップ・ワレリーゲラシモフ参謀総長。それから約4年半後、ゲラシモフ参謀総長はウクライナ侵攻を指揮することになる。雪崩を打って国境を越えたのは市街戦に欠かせない多数の戦車。ロシアのウクライナ侵攻は日本の防衛にも見直しを迫ることになった。北海道上富良野町。北海道の中央に位置するこの町に東西冷戦時代、戦車が重点的に配備された。ソ連軍がどこに上陸してきても迅速に対応するため。過疎が深刻で、人口1万人足らずの3割を自衛隊関係者が占めるといわれる。陸上自衛隊第二戦車連隊。日本が保有する戦車は約360両。3分の2が北海道に配備されているが、その中核になる戦車部隊。最高時速は70キロ、50tの鉄の塊が爆走する。4両で1個小隊を構成。車長と呼ばれる小隊長が指揮を執る。1両に車長、操縦手、砲手の3人が乗り込んでいる。4両が主砲の照準を同時に合わせ攻撃する訓練が繰り返されていた。主砲の射程と戦車の鉄板の厚さは防御能力を知られるために秘密。小隊長は一般大学出身で2年前に入隊。戦車の中の環境は、想像以上に過酷。戦車部隊の女性の最大の敵はトイレ。上空からはロシア海軍への監視活動も続いていた。