為井貴規は、「中国の若者の間では感情的な価値により重きを置く人が増えており、コスプレはその自己表現の1つとして心を捉えているように感じる。取材では中国の若者達が厳しい競争社会に置かれる中で2次元の文化は現実から離れて楽しめる癒しになっていると話す人も。恋愛ゲームやコスプレの委託の流行は現実社会で恋愛や結婚と距離を置く一部の若者の価値観の変化を反映している側面もある。一方コスプレの委託については、SNSなどを通じて広がる中でキャラクターの利用や未成年の利用のあり方などについてのルール作りが必要との指摘も出ている」と話した。コンテンツ産業については、「政府も補助金の支給など様々な後押しをしている。中国発で国際的に注目されるアニメやゲームの作品も生まれている。また2次元をテーマにした大規模なイベントも定着してきている。動画配信大手が夏に上海で主催するイベントには3日間でのべ40万人が訪れ3万人がコスプレを楽しんだ。中国政府も伸び悩む消費の起爆剤として2次元の分野に期待している側面もある。上海ではこの夏政府などが主催して国際アニメ月間と称したキャンペーンも行われた。中国発のヒット作品が増える中で日本と中国の企業が連携してアニメやマンガを制作する動きも広がっている。日中間には様々な課題もあるが中国で話を聞くとアニメやゲームの分野では国同士の関係を越えて純粋に作品を楽しむ人が多く今後も両国の強力に繋がる可能性がある」と話した。
