パリ五輪での活躍が期待される選手を紹介。若手のホープ、20歳・岡慎之助選手は、大けがから復活し初めての五輪代表を目指す。柔軟性のある美しい体操が持ち味。世界ジュニア選手権を15歳で制し、日本の宝とまで呼ばれた次世代のホープ。おととしの全日本選手権。エース・橋本大輝選手など東京大会の代表メンバーがしのぎを削る中、予選3位で決勝へ。初の代表まで、あと一歩のところだった。4種目目の跳馬で右ひざの前十字じん帯を断裂。全治8か月と診断。手術後、右足の筋力は大きく落ち、一時は五輪出場も危ぶまれる状態。前より強くなるとリハビリに励み、パリ五輪代表に一歩でも近づくために苦手なつり輪を克服しようと考えた。手術から僅か2か月、練習を再開。つり輪に欠かせない基礎的な倒立を徹底して繰り返した。重点的に取り組んだのが、難度の高い中水平。先月、試合形式の演技会に臨んだ岡選手は、この日最高得点をマークし、個人総合でトップに立った。けがを乗り越え、大きな自信を胸に、見据えるのは初めての五輪の舞台。岡選手は「自信になる一つの時間だった」と語った。岡選手が出場する全日本選手権は、あさって、男子の予選が始まる。