トランプ大統領が就任祝賀イベントの会場に到着すると、この日一番の大きな歓声が上がった。拳を突き上げて会場のトランプコールに応えている。またイベントでは、実業家でトランプ政権の要職に就くイーロン・マスク氏も姿を見せ、支持者は大盛り上がり。更にトランプ氏は、ステージの上で次々と大統領令に署名する異例の演出を見せた。大統領令に署名したペンをステージから支持者に投げ入れ、会場を沸かせる場面も。大統領令の発令はホワイトハウスに入ってからも続いた。世界保健機関からの脱退を進める大統領令や、メキシコとの国境について国家非常事態を宣言する大統領令。2021年の議会乱入事件の受刑者ら約1500人を恩赦する大統領令などに、次々と署名した。ウクライナ情勢については「ゼレンスキーはディールしたがっているが、プーチンはどうかな。ディールすべきだと思う。プーチンはロシアを破壊していて、大問題を抱えることになると思うね」と話した。また「就任初日には独裁者になる」と発言していたトランプ氏に「就任初日ですが、あなたは独裁者ですか?」という質問もあり「NO」と答えた。その後、舞踏会でメラニア夫人とダンスを踊るなど忙しい一日を過ごしたトランプ氏。トランプ劇場の第二幕はまだ始まったばかり。米国・トランプ新大統領、実業家・イーロンマスク氏のコメント。(中継)米国・ワシントン。国内外の注目が集まる就任式の日を利用して、支持者、議会、そして外国に対しても、トランプ政権の強気の姿勢を見せつける、大統領令乱発の裏にはこんな狙いがあるとみられる。特に大勢の支持者の前で、大歓声の中で大統領令に署名をするというのは極めて異例の演出で、トランプ劇場が更にパワーアップして帰ってきた象徴的な場面だった。ただ実際には、今回、大統領令で命じた中には、議会での立法措置が必要だったり、合憲性をめぐる司法判断が迫られたりするものもあり、実現性に疑問符がつくものも少なくない。それでも議会は共和党が上院・下院とも多数を占めている。連邦最高裁も保守派が多数を握っている。そんな中、トランプ氏は強気に打って出た形で、保守派が主導権を握った米国でどんな変化が生まれるのか。トランプ氏の政策がどこまで進んでいくのかが今後の注目となる。
URL: http://www.who.int/