ゼレンスキー大統領は国連安保理でロシアの拒否権発動により機能不全に陥っている国連の改革を訴えた。こうした中、ウクライナと支援を展開してきた欧米諸国との亀裂もあらわになっている。ドイツ製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与するなどNATO内でもウクライナ支援に積極的だったポーランドは一転してウクライナへの支持取りやめを示唆した。その背景にあるのがウクライナの安価な穀物輸出。侵攻開始後にウクライナの安価な穀物が欧州に輸出されたことで各国では穀物価格の下落を招き、国内の農家から反発を受けたことからポーランドやブルガリアなど5ヶ国はウクライナ産穀物の輸入規制を実施。この措置に反発したウクライナ側がWTOへ提訴したことから両国の関係は悪化していた。総選挙を控えているポーランドでは農村部からの支持を得られるかが鍵となっており、穀物問題は両国にとって避けては通れない事態となっている。
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