参議院では2日目の代表質問。政治とカネの問題などで論戦が交わされた。日本維新の会・浅田参議院会長は、自民党の27人の議員が出席する見通しの政治倫理審査会について「“裏金”といわれるカネの発生経緯に関する事実が解明されなければ、何人出席しても時間と労力のむだ。単なる来年の参議院選挙の公認をもらうためのセレモニーにしてはならない」とただし、石破総理大臣は「おのおのが政治倫理審査会の場を含め、あらゆる場を積極的に活用して説明責任を果たすよう促してきた。(政倫審は)個々の議員の政治的、道義的責任の有無を審査する場と承知」と述べた。共産党・小池書記局長は、自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る問題について「西村康稔議員や世耕弘成議員らは真相を明らかにしていない。偽証罪が問われる証人喚問が必要」とただし、石破総理は「証人喚問は国会で議論、判断してもらうべきもの」と述べた。小池書記局長は「政倫審は“駆け込み寺”ではない。審査は全面公開とすることを強く求めるべき」とただし、石破総理は「開催方法も規程にのっとり、審査の申し出をした議員の意向を尊重しつつ決定されるもの」と述べた。自民党・本田顕子参院議員は、賃上げを巡って「エネルギー、食品等の価格が上昇し、賃上げが追いついていない状況。誰も取り残さない賃上げを主導すべきではないか」とただし、石破総理大臣は「(事業者に)物価上昇に負けない賃上げをしてもらえるよう、業種別にきめ細やかに対応していくことが必要。本園末までに支援の実施状況について実態調査、その結果に基づく改善措置を完了させる」と述べた。立憲民主党・打越さく良参院ギンは、同性婚について「(同性カップルは)医療・福祉、相続、親権などの法的効果を受けられない。かけがえのないパートナーを真に人生の伴侶としたいという切実な思いがかなわない。同性婚の実現は基本的人権の問題、命の問題」とただし、石破総理は「同性婚制度の導入は、国民一人ひとりの家族観と密接に関わるもの。国民の意見、国会での議論、同性婚に関する訴訟の状況を注視していく必要がある」と述べた。公明党・竹谷代表代行は、選択的夫婦別姓制度について「婚姻に伴う改姓で多くの人が不便や不利益を感じている。女性活躍を阻害する象徴的な制度とも言える。旧姓併記を拡大するだけでは解決できない課題が多数ある。今こそ実現しようではないか」ただし、石破総理大臣は「意見を真摯に受け止めながら、家族形態の変化や国民意識の動向のほか、家族の一体感や子どもへの影響を考える視点なども考慮のうえ、より幅広い国民の理解が形成されることが重要」と述べた。国民民主党・舟山参議院議員会長は、与党との税制協議で示したガソリンなどの暫定税率の廃止について「“暫定”と言いながら半世紀も続いている。(廃止について)所信(表明演説)で、自動車関係諸税全体の見直しの“中で”ではなく、見直しに“向けて”検討と踏み込んでいる。先行して決断してもらえると確信している」とただし、石破総理は「経済や税収への影響など専門的な観点も含めて考えなければならない論点がある。各党の税制調査会長の間でさらに議論を深めてもらいたい」と述べた。