若い世代に被爆の実相を語り続けている90歳の女性は「願うことは決して戦争をおもしろがらず、許し合い、助け合い、平和を語る」と述べた。きょうも、紙芝居を使って、みずからの体験を伝えた。11歳だった女性は、爆心地から2キロで被爆。逃げてきた母親と再会するが、体中にガラスが刺さり、血だらけになっていた。女性は、傷口にわいたウジ虫を口を使って取り除いたという。手の施しようがない人が多くいる中、骨を飲ませると効果があると耳にした女性は、母親のけがを治したい一心で、骨を持ち帰ったという。被爆から79年たった今も、あの日、みずからが取った行動を忘れられずにいる。女性は自分と同じような思いをする人が二度と現れないように、記憶と思いを伝えた。