岡三証券NY・荻原さんは「2010年以降、電力消費は横ばい傾向が続いてきたが、AIの普及に伴うデータセンターの急増に加え、米国国内での半導体やバッテリーなどの製造の増加を背景に2020年頃から急速に拡大。これから必要となる需要に対しては追いついていない状況と言える。近年、供給が増えてきたのは主に風力や太陽光などの再生可能エネルギー発電になりるが、季節や天候に左右されやすく供給が不安定なため、データセンターや製造業には向いていないとされている。中国がAI開発や半導体産業を強化する状況において米国がイノベーションにおけるリーダーの座を維持し続けるためにも不足する電力を石炭火力発電に依存せざるを得ない状況と言えそう。最近はGoogleやマイクロソフトなどAI開発を進めるハイテク大手を中心に積極的に原子力発電を活用とする動きが目立っている。ただ、停止中の原発を再稼働することができるのはわずかとされており、電気料金が上昇しやすい状況が続くと考えられ、直近で株価の上昇が目立つ電力会社のコンステレーション・エナジーやビストラのほか、業界全体にとって追い風が当面続くとみられる」などと話した。