揺れから数時間後に各地で発生した謎の火災。その原因として専門家が指摘したのが「火の粉」である。当時の東京には台風の影響で風速10m前後の強い風が吹いており、風に煽られた火の粉が撒き散らされたことで新たな火災の発生に繋がったのだ。関東大震災ではこうした飛び火火災が240ヶ所で発生したと記録されているが、ここまで被害が拡大したのは揺れによって屋根瓦が落ち、燃えやすい屋根板に火の粉が降り掛かったことが原因だとみられている。実際に当時の屋根を再現して実験を行うと、屋根板の下に敷かれていた厚さ1cm弱の杉皮は上に火の粉が留まることによって容易く貫通されてしまった。こうして空いた屋根の穴から火の粉が入り込むことによって内部の温度が上昇し、フラッシュオーバー現象が発生。それから5分足らずで家屋は炎上してしまった。
こうした飛び火火災により、危機感なく火災を眺めていた帝都の人々の様相は一変する。四方から火の手が上がったことで火災が各所で上がっていたことに気付いた人々は、逃げ場を求めて手近な広場や公園になだれ込んだ。上野公園には50万もの人々が逃げ込んだが、この時に避難者たちがとったある行動が元で、人々は新たな危機に直面する。
こうした飛び火火災により、危機感なく火災を眺めていた帝都の人々の様相は一変する。四方から火の手が上がったことで火災が各所で上がっていたことに気付いた人々は、逃げ場を求めて手近な広場や公園になだれ込んだ。上野公園には50万もの人々が逃げ込んだが、この時に避難者たちがとったある行動が元で、人々は新たな危機に直面する。