2001年・東京都新宿区・JR新大久保駅で、ホームから転落した男性を救助しようとした日本人や韓国人留学生3人が死亡した。都内では現在、全駅のホームドア設置を目指しているが、設置率は約52％。そんな中、設置率100％を達成したのは都営地下鉄。今年2月、浅草線押上駅を最後に、都営地下鉄106駅全てでホームドア設置が完了。プロジェクトの始まりは1996年頃。28年を要したのは都営浅草線ならではの事情があった。都営浅草線は他にも京浜急行、京成電鉄、北総線、芝山鉄道線の4社が乗り入れている。ホームドアのための車両改造費が負担となるという（1編成数千万円）。求められる条件・1「大きな情報量」、2「汚れても読み取れる」、3「瞬時に読み取れる」。身近になったQRコードが基準を全て満たすという。
ホームドア設置率100％を達成した都営地下鉄。開閉のカギはQRコードにあった。QRコードは元々トヨタの電装部門が独立した企業・デンソーが生み出したもの。そのため工場で油まみれでも瞬時に識別出来る様開発された歴史を持っている。屋外を走る車両にも有効とされている。2016年に車両に貼ったQRコードの読み取りテストを実施。次いで浅草線に乗り入れる4社のドアにQRコードを貼る実験を実施。判定率は100％。画像の半分が隠れても読み取れるQRコードも開発された。