平和への願いが描かれた絵本「ダニーさんのちゃぶだい」。企画したのはイスラエル人のダニー・ネフセタイさん。戦うことが当然だと思っていた幼少期からの考え方に転機が訪れるまでの体験が描かれている。かつて空軍の兵士だったダニーさんは子どもの頃から国を守らないといけないと教え込まれていたという。イスラエルで出版されている子ども向けの本には周りの国の人々を見下すような表現が多く使われていたと振り返る。転機となったのは兵役を終えてから。絵本には旅先の日本でこれまで教えられてきたことに疑問を感じた経験が描かれている。ダニーさんは、「代々木公園でシリア人・イラン人・パキスタン人に会って絶対敵だと思ったのに敵じゃなかった、ニコニコして誰も私たちを襲おうとしない、同じ人間だったことに本当にショックを受けた」と話した。その後ダニーは日本人女性と結婚し日本に移住し3人の子どもに恵まれた。2008年のイスラエル軍によるガザ地区への大規模な攻撃で子どもを含む民間人が犠牲になったことをきっかけに講演会などで発信を行うようになった。子どもが犠牲になる世界を変えるためにはどうすればいいのか、家具職人として働いているダニーさんの頭に浮かんだのが日本で出会ったちゃぶ台だった。ダニーさんは、「ちゃぶ台は上座も下座もなくみんな平等」と話す。ダニーさんは次の世代を生きる子どもたちに戦争をなくすことは出来るか考えてほしいと読み聞かせ会を行った。
住所: 東京都渋谷区代々木神園町2-1
