能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市にある珠洲製塩の社長・山岸順一さん。被災しながらも1カ月で営業を再開した。12年前の夏、山岸さんに伝統の塩作りを取材させてもらっていた。海水を塩田にまいて乾燥させて釜で煮出すという製塩法。あれから12年、地震は塩作りにも影響を与えた。地盤が隆起し海岸線が大きく後退し、以前と同じように海水をくむことができなくなった。工場も煙突が折れるなどの被害が出た。2つある工場のうち、1つは被害が少なくすみ、山岸さんも自宅で暮らせる状態だったため、塩作りを再開した。真酒谷さんが窯炊きを担当する。山岸さんがこの仕事をはじめたのは20年ほど前、定年後に地元を盛り上げるために会社を立ち上げた。営業再開後、2カ月できた注文は従来の2年分。塩を待ってくれているお客さんがいる。真酒谷さんのこの日のランチはわかめごはんと石狩汁。支援物資などを持ってきている。山岸さんのランチは妻の手作り弁当。