5月、宇出津地区・四明ヶ丘に暮らす野口は去年12月28日に長男が生まれた。震災の爪痕が残る中でキリコを出すのかどうか四明ヶ丘の住民たちが話し合い、賛成多数で祭りへの参加を決めた。キリコの通行のじゃまにならないようにするため電線の確認作業が行われた。祭礼委員の上結は10年前に小学校教員を定年退職し、今回始めて祭礼委員を引き受けていた。上結は祭りを守ってきている人々に敬意はあるが荒々しい祭りは性に合わないなどと明かした。上結の妻は去年から孫をみるため東京へ行っており、解体予定の自宅で一人暮らししながら仮設住宅への入居を待っている。祭りの準備に追われる日々を送ってもいる上結は震災によってこの地域が割れてしまっているのが一番どうしていいのか分からないなどと明かした。小川は自分もいつしかは何が神や仏やというように思うときが来るやもしれないなどと告げた。
かつてこの町を疫病から救ってくれた神様に感謝して始まったあばれ祭り。住民は幼き頃からキリコに乗せられ、成長すると担ぎ手となり、それが宇出津の日常となった。祭りまであと3週間と迫り、小川は神輿の完成を気にかけていた。小川は新しく再生された神輿を見て、震災も同じで、どれだけ壊れても何度でも全部再生させてやるのだと語った。
かつてこの町を疫病から救ってくれた神様に感謝して始まったあばれ祭り。住民は幼き頃からキリコに乗せられ、成長すると担ぎ手となり、それが宇出津の日常となった。祭りまであと3週間と迫り、小川は神輿の完成を気にかけていた。小川は新しく再生された神輿を見て、震災も同じで、どれだけ壊れても何度でも全部再生させてやるのだと語った。