去年1月に発生した能登半島地震では石川県を始め、4県で合わせて2000カ所以上で液状化現象が確認された。南海トラフ巨大地震では東海地方で最も大きな被害が想定されている。濃尾平野全体が液状化が発生する危険性が高い地域と示されている。名古屋大学・野田教授は「濃尾平野は液状化を起こしやすい3つの要因を備えている」と指摘。3つの一級河川。木曽三川が流れ、伊勢湾に面している濃尾平野。その地面の断面図を紹介。黄色が砂、灰色が粘土。西に行くほど砂の層が厚く堆積していることが分かる。問題は砂地盤が緩い状態であること。砂の粒と粒の噛み合わせが弱く隙間が大きい。大きな河川が流れる濃尾平野では地下水位が高く、地表近くまで隙間が水で満たされている。大きな地震が起きると緩く噛み合っていた砂粒同士が外れ、泥水になるのが液状化という現象。濃尾平野では繰り返し液状化が発生したという記録が残っている。濃尾平野で過去にどのような現象が起きたのか。三重県桑名市で昭和東南海地震を経験した伊藤さなゑさん。地震発生時、当時の国民学校で授業を受けていた。揺れが収まり、校庭に集められたが、液状化に遭遇。地の中から泡が噴いて割れていき、あのような様を見たのも初めてだったという。液状化危険マップでリスクが高いとされている名古屋市南西部。野田教授はこうした地域に多くの人が暮らしていることに危機感を募らせている。野田教授は地図ソフトをチェック。約400年前から現在まで、埋め立てを繰り返して土地を広げてきたため、液状化の高い地域が多く存在するという。