- 出演者
- 片山千恵子
NHK名古屋放送局が公開収録で伝えた。今日のテーマは巨大地震に備える。地震の備えについて笠松さんは「食べるものは定期的に用意している」と話す。今日のナビゲーターは名古屋大学・福和伸夫さんと紹介した。福和さんは南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ主査をしている。南海トラフ巨大地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込み耐えられなくなり戻る時に地震になる。南海トラフ地震は過去に10回起きている。
1944年12月7日に起きた昭和東南海地震。マグニチュード7.9の大きな地震だった。震源は和歌山県熊野灘沖。被害は1府12県。東海から関西にまで及んだ。津波が伊豆半島から紀伊半島までを襲い、三重県尾鷲市では最大9mに達した。壊れた建物は54000戸。死者は1223人にのぼり最も多かったのが愛知県だった。愛知県半田市の犠牲者は188人と県内で最も大きな被害を受けた。榊原真寿美さんに話を聞いた。榊原さんは「怖かった」などと話した。地震が起きた当時、半田市には軍用機工場があったが地震で倒壊した。
昭和東南海地震から80年。80年分ひずみが溜まっている。南海トラフ巨大地震による被害想定(2013年内閣府 最悪の場合)。死者:約32万3000人、建物倒壊・焼失:約238万棟、経済的被害:総額220兆3000億円。政府は確実な直前予知は無理だとしている。
なぜ携帯電話の緊急地震速報はあの音なの?人の命を救うために計算され尽くした音だから。低音~高音(高音~低音)へ短時間で変化する音→脳の反応速度が速い。幅広い周波数が使われている→布などに音が吸収されず聞こえやすい。3回繰り返す→人の気を引きやすい回数。
南海トラフ巨大地震が発生した際に東海地方では濃尾平野が大きな被害を受けるとされている。地下水が豊富で標高も低い。揺れ・液状化・津波のトリプルパンチ。
去年1月に発生した能登半島地震では石川県を始め、4県で合わせて2000カ所以上で液状化現象が確認された。南海トラフ巨大地震では東海地方で最も大きな被害が想定されている。濃尾平野全体が液状化が発生する危険性が高い地域と示されている。名古屋大学・野田教授は「濃尾平野は液状化を起こしやすい3つの要因を備えている」と指摘。3つの一級河川。木曽三川が流れ、伊勢湾に面している濃尾平野。その地面の断面図を紹介。黄色が砂、灰色が粘土。西に行くほど砂の層が厚く堆積していることが分かる。問題は砂地盤が緩い状態であること。砂の粒と粒の噛み合わせが弱く隙間が大きい。大きな河川が流れる濃尾平野では地下水位が高く、地表近くまで隙間が水で満たされている。大きな地震が起きると緩く噛み合っていた砂粒同士が外れ、泥水になるのが液状化という現象。濃尾平野では繰り返し液状化が発生したという記録が残っている。濃尾平野で過去にどのような現象が起きたのか。三重県桑名市で昭和東南海地震を経験した伊藤さなゑさん。地震発生時、当時の国民学校で授業を受けていた。揺れが収まり、校庭に集められたが、液状化に遭遇。地の中から泡が噴いて割れていき、あのような様を見たのも初めてだったという。液状化危険マップでリスクが高いとされている名古屋市南西部。野田教授はこうした地域に多くの人が暮らしていることに危機感を募らせている。野田教授は地図ソフトをチェック。約400年前から現在まで、埋め立てを繰り返して土地を広げてきたため、液状化の高い地域が多く存在するという。
ゼロメートル地帯は浸水する場所でもあるので、気をつける必要がある。会場の皆さんに「液状化を見たことが?」と訊いたところ、「ない」人が多かった。また、スタジオで液状化の実験を行った。
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- 液状化現象
宮城県亘理町の齋藤邦男さんは東日本大震災直後、自宅近くの液状化を撮影していた。地面の亀裂と泥でぬかるんだ道路。避難所まで車で通常10分のところ、45分かかり、その直後津波が押し寄せたという。
東日本大震災により大規模な液状化が起きた千葉県浦安市で、被害をまぬがれた団地がある。約50年前に当時の日本住宅公団が建設した団地だ。敷地内に被害は殆どなかったという。この地域では公団が事前に地盤調査をした団地が点在していて、専門業者に対策を依頼していた。その1つが地盤を改良する「サンドコンパクションパイル工法」。砂が詰められたパイプを地中に刺し、引き上げながら砂を排出して締め固め、硬い砂の支柱を地中に作るというもの。これにより地下からの水が上がりにくくなり液状化を防ぐという。個人でもできる液状化対策が広がりつつある。その1つが地中に穴を開けてそこに砕いた石を入れるというもの。こうすることで水と砂が混ざらず液状化が起きにくくなるという。費用は30~100万円ほど。
液状化対策をしているか聞いた。していない人が大多数だった。福和さんは「ハザードマップを見てハザードが小さいところを選ぶ」などと話した。名古屋大学・野田さんは「地域で液状化対策をすることも重要」だという。宅地液状化防止事業があり皆さんが合意すれば国が1/4、自治体も補助してくれる。
了仙寺には過去に起きた南海トラフ地震の痕跡が残っている。安政東海地震のマグニチュードは8.4。高さ6mの津波が下田を襲った。下田湊絵図を紹介した。津波で家屋の96%が流失したが犠牲になった住民は2%だった。下田史編纂室に保管されていた古文書「大震津波二付 裁頂お見舞其外控」には宝永地震など過去地震の被害が記されている。安政東海地震の時の古文書には、住民の様子などが記されていた。ロシア海軍提督 プチャーチンらの船は安政東海地震の時に津波に襲われて沈没。その時、村民たちがプチャーチンたちを助けたという。
吉田沙保里ら出演者によるトーク。吉田沙保里は「みんなが動けば死者は減るのかなっていう風に感じた」などと話した。
巨大地震にどう備えるかをテーマとした名古屋放送局のイベントが名古屋市港区の商業施設で開催され、楽しみながら身を守る方法について真剣に考える家族連れの姿が見られた。
エンディングのあいさつ。