- 出演者
- 片山千恵子 滝沢秀一 くわばたりえ
今年1月の地震や9月の記録的大雨などで発生したのが災害廃棄物。災害廃棄物の問題に対応するための動きが全国で始まっている。福島・いわき市では住民が協力して災害廃棄物を集める取り組みを行っている。今回は災害廃棄物について考える。
今回のテーマは「どう向き合う?災害廃棄物」。くわばたは「災害は命を一番に考えていたが、災害廃棄物が思った以上にあってびっくり。」、ごみ清掃芸人の滝沢は今年6月と8月に能登半島地震の被災地を取材。滝沢は「ごみといっても住んでいた方によっては思い出の欠片もある。心と復興の問題の間で進めていかなきゃいけない。」などとコメント。災害廃棄物は解体がれきや片付けごみなど。ナビゲーター・岡山氏は2年前に静岡県の豪雨災害を調査した際、公園に高さ5m程度の災害廃棄物が積み上がっていた。情報はNHK防災のホームページでも公開中。まず能登半島地震が発生した輪島市を取材した。
災害廃棄物についてトーク。くわばたは「災害廃棄物を出すってなるとこんな大変なのかとびっくりした。」、滝沢は「現場にいると臭いを感じる。浸水では下水から汚水が混じり、家具などは捨てざるを得ない。災害ごみは一番最初に害虫が発生する可能性がある畳を片付けろと教えられた。」、岡山は「床上浸水になると畳が濡れて重くなる。リチウムイオン電池内臓の家具は発火に注意必要。」などとコメント。仮置き場は災害廃棄物を処理する前に分別する場所で、事前に分別することで処理スピードが変わるという。
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宮城・岩沼市では環境省と宮城県共催の災害廃棄物の実地訓練が行われた。県内の市町村の職員などや岩手など3県からも参加した。訓練では仮置き場の設置から運用までを体験。まず必要なのは仮置き場で渋滞が起きないよう車が誘導する。大事なのが災害廃棄物の分別で、小型家電など9種類に分けられた場所に災害廃棄物を下ろしていく。実際に持ち込まれた物の中には自治体のルールにより分別が分かれるものなど判断が難しいものがあった。
仮置き場のレイアウトを紹介。岡山氏によると、分別順に産業廃棄物が積まれておらず、スムーズに荷下ろしがいかないなどの理由で渋滞が起こるという。住民側が効率的に荷下ろしする方法について岡山氏は出口に近い方から積み込むことで分別がスムーズになるなどと指摘した。仮置き場のレイアウトは自治体のホームページなどで確認できるため事前に確認が必要。仮置き場の設置が遅れた場合、行政が把握してない勝手な仮置き場が出現してしまい復興の妨げとなるケースがある。
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去年9月、福島・いわき市では台風13号により記録的な豪雨に見舞われ1700棟余りが浸水した。この際も災害廃棄物が公園などに分別されずに置かれ、市は手作業での分別に追われた。好間町では市が設置した仮置き場までが遠いため臨時の集積所を住民らで作った。中心となった吉田さんによると、東日本大震災の際は分別されずに山積みになってしまい回収に数ヶ月を要したという。吉田さんはこの経験を活かし、役員を常駐させごみを持ち込む住民の名前と住所を記録分別を徹底。夜間にはチェーンで施錠するなど管理。その結果災害廃棄物はスムーズに処理された。この取り組みはいわき市にとってヒントとなり、今年7月から住民に臨時集積所の説明会を行った。事前に場所を決めてもらう事で混乱を防ぐことが狙い。説明会が始まってから3か月、申請は約70件あり、うち20ヶ所以上が確定している。
臨時集積所について解説。メリットは災害廃棄物を家に近くに出せ、分別が出来ていれば直接処理することができること。滝沢は能登半島地震後に輪島市の黒島地区で臨時集積所を視察。道が狭いため市が回収できず、住民が看板を作るなどして集積所を作っていた。災害廃棄物に備えて住民が準備できることについて、くわばたは必要ないものを分別したら大量のごみが出てきたという。思い出などにより家に置かれている不用品を退蔵品と言い、災害廃棄物が増える要因となる。
和歌山・かつらぎ町は1953年に大水害が発生し甚大な被害を受けた。この町に住む中前さんは梅雨時に自宅前を流れる川の増水を目の当たりにし危機感を抱いている。町は3年前に災害に備えるために住民参加の仮置き場の設置訓練を行った。町は訓練を行うとともに住民らに家にある退蔵品を出してもらい処分。中には処理困難物などもあり、参加した住民26人に対し退蔵品は約12トンもあった。町ではこうした退蔵品の普段からの処分などを呼びかけることで、災害時のゴミの減量などに繋がるなどとしている。
一人暮らしをしていた高齢者の片付けごみを分別集積をした実験では、衣類が310kgなど大量のごみが出された。普段から退蔵品を溜め込まないコツとして滝沢は「更新すること大事。」などとコメント。
「NHK防災これだけは」から都市の河川で起きる水害への対処について。川幅が狭く、川底がコンクリートの河川では一気に水位が上昇する。周辺で雨が降った際などはすぐ離れること。東京では1時間に50ミリ以上の雨が降った場合は危険。神戸市を流れる都賀川では2008年に10分で1.3m水位が上昇。死亡事故も起きている。
災害廃棄物について考える。環境省の推計では、災害廃棄物の発生量は、南海トラフ巨大地震が最大およそ3億2000万トン、首都直下地震が最大およそ1億1000万トン。阪神・淡路大震災のときのごみの量はおよそ1500万トンだった。災害廃棄物をすべて処理するまでには3年2か月ぐらいかかった。
東京清掃労働組合の多田さんを訪ねた。都市部特有の問題によって災害廃棄物の処理に遅れが出るのではないかと危機感を強めている。2019年の台風で水害にあった地域の写真。大田区のこのエリアは、道路が狭い地域が多く、何台もの清掃車が連なり、先に車を通すことを繰り返しながら収集していたので、非常に時間がかかったという。混在したごみが路上に積み上げられてしまっていた。土地のスペースがないのが一番の問題。
スペースが少ない都会での小さな公園を使った仮置き場の運用について。1日目は腐りやすいものや濡れた衣類、可燃系のごみを出す。こちらにあったものはいったん、すべてこの日のうちに運び出すというようにする考えもあるという。2日目は可燃系粗大ごみだけを出すというように、指定したごみを出してもらう。これをすべて運び出して、更地に戻す。これを繰り返すとのこと。大都市だけでなく、災害が発生して必ず起こるのが、“し尿ごみ”問題だ。地震で断水したときに、3時間以内にトイレに行きたくなった人が40パーセント、6時間以内で60パーセントになるというデータがある。し尿は可燃ごみの中に入れず、分けたほうがいいという。携帯トイレのごみは一緒にするよう自治体では言っている。臭いにくいポリ袋がある。し尿のごみは、臭いにくいポリ袋にいれてベランダなどに置くのがいい。食パンの袋も臭いを通さないという。一般廃棄物の最終処分場は残余年数は23.4年だ。南海トラフ、首都直下地震が起きたらものすごい量のゴミが出てくる。大切なのはどうやって分別するか。決めておくのがいい。災害廃棄物を片付けないことには、復興がはじまらない。
ぼうさい甲子園がある。阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターで開かれた。紀南高等学校が高校生の部で優秀賞を受賞。南海トラフ地震が想定される地域に、避難場所を一目でわかるように標識を設置したという。目標は津波被害社ゼロ。被情報持ち出し袋の販売で費用を集めた。取り組みは地域の人たちに伝わっている。