- 出演者
- 片山千恵子
オープニング映像。
去年、クマによる被害が過去最多となった。去年秋は秋田、富山で多くの出没があった。大量出没は2000年以降数年おきに日本のどこかで起き続けてきた。今回の内容はNHK防災のサイトでも公開中。日本に生息している2種類のクマはヒグマ、ツキノワグマで、ヒグマの生息場所は北海道で、ツキノワグマは本州、四国。東日本は森や山はどこでもクマがいる状況。九州は1950年代まではツキノワグマが生息していたが、絶滅した。四国はツキノワグマが約20頭いるという。クマは雑食で、ほとんどが植物を中心にした生活をしている。クマは警戒心が強く基本的に人を襲おうとすることはなく、防御を目的とした攻撃。活動時期の9~11月頃は冬眠に備えた飽食期で、冬眠中に必要なエネルギーを蓄える必要がある。秋の間に1年間で摂るエネルギーの8割を摂る。去年~今年の被害に遭った人の数を月毎に示すと、9~11月が多くなっている。
新潟県の事例でみると、クマの主食となるブナの豊作・凶作によってクマの出没・目撃件数が変わってくることが分かる。ブナが凶作の年ほど出没・目撃件数が増えており、小池氏は「山の中にクマの食べ物が少なくなると、クマは行動範囲を広げて人の住む集落にまで食べ物を探しに来るようになる」などと話した。またクマによる被害増加の要因は他にもあり、1つは人間の高齢化・過疎化だという。小池氏は「人口が減ったことでクマの生息地域と人間の集落の間にあった緩衝地帯がなくなって隣り合う状況になっている」などと話した。もう1つはクマの個体数の増加で、2003年からの15年間でクマの分布数が広がっているとのこと。
人への警戒心が低いと考えられる「アーバンベア」は、その特徴の1つとして人間に関係する音を聞き分けているという。アーバンベアが市街地にやってくるルートとしては、まず川沿いの道が考えられる。川岸に生い茂った草木がクマの安全を確保するのに最適だという。次に考えられるルートが「河岸段丘」。かつては人の出入りが多かったというが、人口が減ったことで今はクマが自由に出入りできる場所になっているとのこと。さらに風よけのための屋敷林も注意が必要で、専門家は「屋敷林をつたって平野部まで降りてくる。田園地帯だけでなく踏み込んだ先の新興住宅地も同じくらい危険」などと話した。
アーバンベアは山奥に暮らすクマよりも人への警戒心が低いクマとされている。クマに遭遇した場合、慌てたり背中を向けて逃げたりするのはNGとされている。万が一遭遇したら首をおさえて血管を守ってうつ伏せになるのが最善とのこと。ただ小池氏は「クマに遭遇してできる対策はない。クマに遭遇しないためにはどうしたら良いかを考えることの方が大事」などと話した。
突風や竜巻から身を守るには、原因となる積乱雲の接近をいち早く察知することが大切。周囲が暗くなったり、冷たい風が吹いたりするのは危険なサインとなる。竜巻注意情報や天気予報の大気不安定という言葉にも注意する。突風被害は、毎年約50件発生している。発生してからでは逃げられないため、積極的に情報を収集する必要がある。
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- NHK防災これだけは気象庁竜巻注意情報
今全国的に広がっているのが、クマの目撃情報をまとめた地図の公開。秋田県が7月から運用を始めたクマダスは、これまで県と市町村がそれぞれ管理していた情報がまとめて一目で分かるようになった。分かりやすい地図で住民に注意喚起を行い、被害を減らすことが狙い。誘引物の除去も重要な対策のひとつ。去年1年間に300件以上の目撃情報があった秋田県鹿角市では、木の伐採費用を補助する取り組みを実施した。長野県軽井沢町ではNPO法人にクマの管理を委託し、罠で捕獲したクマに発信機をとりつけて行動を監視している。人とクマのすみ分けを目指す。クマが住宅地の近くに迫っていることが分かると、特殊な訓練を受けた犬とともに追い払いに行く。町ではこの10年余り、人的被害が起きていない。
クマについての教育を行うためのキットがある。本物のツキノワグマの毛皮やクマ撃退用のスプレーなどがある。小池伸介氏は、山に行く前に使い方の動画をみることがおすすめなどと説明した。今後望まれる対策として、人とクマの住み分け・科学的データの蓄積・人員の確保が挙げられた。野生動物の管理に関して専門的知識を持つ人は限られていて、都道府県の鳥獣行政担当職員に占める専門的職員の割合は4.7%。
今年6月、秋田市で警察官がアーバンベアの対応を確認する訓練が行われた。民家が多い場所でクマが出没した場合、麻酔銃などは使えず危険も多いことから対応が難しく、様々な意見が出された。講師を務めた秋田県自然保護課の近藤麻実さんは、東北地方初のクマ対策専門職員。2020年、県はクマの被害を抑えるためツキノワグマ被害対策支援センターを設置し、近藤麻実さんを迎えて実現した。センターはホットラインで市町村からの相談を受け付け、状況に合わせた助言や指導ができるようになった。近藤さんは被害が発生すると、詳細な聞き取りと現場検証を行う。支援センターが力を入れいてるのが、出前講座や研修。1年に70回以上実施し、約2000人にクマの生態や対策を伝えている。さらに、現場対応を行う警察官や自治体職員に向けた研修や訓練も行う。
照英は、緑があるところにはもしかしたらという気持ちを持ち続けなければいけないということ、この情報を多くの人に広めないといけないなどとコメントした。加藤夏希は、いい意味で共存はこれから続けていきたいので分けて生活をしていくというのがこれから人が成長していく課題だと思ったなどと話した。小池伸介は、むやみに怖がる必要はなく正しい姿を知る努力が大事などとコメントした。
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新潟県の特別支援学校で、教職員向けの研修会が開かられた。新潟地方気象台の支援で、障がいのある子どもたちへの防災教育を伝える。緊急地震速報の音を使った訓練で、生徒が自ら机の下に潜れるようになった実例を紹介した。グループワークでは音が苦手な生徒には小さな音で訓練をするなど、アイデアが示された。