2024年11月10日放送 10:05 - 10:50 NHK総合

明日をまもるナビ
(138)南海トラフ地震臨時情報 防災にいかすには

出演者
片山千恵子 
(オープニング)
南海トラフ地震臨時情報 防災にどういかす

8月8日。宮崎県日向灘を震源とするM7.1の地震が発生し、初めて南海トラフ地震臨時情報、巨大地震注意が発表された。自治体や企業では対応が分かれ一部では混乱も生じた。日頃からの備えの確認が呼びかけられたものの、具体的な行動に移した人は多くは無かった。南海トラフ巨大地震は今後30年以内の発生確率が70~80%、死者は最大で32万人とされている。今回の明日を守るナビは南海トラフ地震臨時情報を防災をどう生かすのか考える。

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オープニング

オープニング映像。

(明日をまもるナビ)
南海トラフ地震臨時情報どういかすのか/南海トラフ巨大地震とは/

テーマは「南海トラフ地震臨時情報をどういかすのか」。専門家の関谷さんが解説する。「南海トラフ巨大地震」は発生パターンがいくつか想定されている。東海地域から南海地域まで一気にプレート境界がずれ動いて一番大きな被害をもたらす”全割れ”とプレートがバラバラにずれ動いて起こる”半割れ”。南海トラフ巨大地震に関して重要なのが過去に繰り返されてきたということ。約100~150年周期で繰り返し起こっていて1707年の宝永地震は全割れ、直近過去2回は2つの地震が連動する半割れだった。前回の昭和南海地震から78年。関谷さんは「間違いないのは必ずどこかのタイミングで来る」と話した。

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南海トラフ巨大地震 未曾有の被害

南海トラフ巨大地震の国の最悪の想定に基づくシミュレーションを紹介。最大震度は7。広い範囲で強い揺れが数分続き、建物の倒壊による死者は約8万2000人。津波も発生。高知県沿岸では最大34mとなる。震源域が陸に誓いため、津波の到達時間が短いことも特徴。津波による死者は約23万人と推定されている。東京では最大震度5強の揺れに。高層ビルは長周期地震動によって東日本大震災以上の揺れとなる。被災地は日本の人口の約半分が暮らし、工業製品の出荷額の約7割を占める太平洋ベルトと重なっている。国の経済的被害は最大で約220兆円。これは日本の国家予算の約2倍の額となる。

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南海トラフ巨大地震 未曾有の被害/南海トラフ地震臨時情報どういかすのか

南海トラフ巨大地震の被害想定では32万人超が亡くなると予想されていて、被害額は220兆円が想定されている。想定の段階でかなりの被害が想定されていることから南海トラフ地震臨時情報が整備されていて、発生の可能性が少しでもある場合は発令し、注意喚起をして被害を軽減することを目的としている。南海トラフ地震臨時情報は想定震源域内で自身や異常現象が発生した際に気象庁が専門家を集めて発令の検討を行い、発令する場合は巨大地震警戒や巨大地震注意という情報で発表する。

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南海トラフ地震臨時情報 初めての発表

8月8日午後4時40分過ぎに宮崎県の日向灘を震源とするM7.1の自信が発生し、宮崎県・日南市で震度6弱を記録するなどした。この地震による負傷者は16人で、79棟の住宅に被害が発生した。同日午後5時には気象庁が南海トラフ地震臨時情報(調査中)を発表し、その30分後に専門家らによる臨時検討会が行われた。臨時検討会での評価を受けて午後7時15分に気象庁は南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意を発表し、記者会見で大規模地震発生の可能性が高まっているため防災対策を行うよう呼びかけた。

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南海トラフ地震臨時情報 発表されたらどうする

「巨大地震注意」が発表された時の対策について。まず行うべきは短期的な対策で、避難経路・避難場所や安否確認の手段の確認などがある。大地震の場合は連絡が取れない可能性があるので、連絡が取れなくなっても大丈夫なように待ち合わせ場所を決めておくことが大事だという。その後に長期的な対策として備蓄の確認や家具の転倒防止などを行うと良いとのこと。関谷氏は「避難経路・避難場所の確認」が最も大事だと述べた。「巨大地震警戒」の場合は事前に避難をしておくことが重要だという。

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防災の知恵
1分 防災の知恵

防災の知恵を紹介。今回は津波からの避難のポイントについて。沿岸部や川の近くにいる人は、揺れがおさまったらすぐに避難すべき。避難している時は立ち止まったり引き返したりしてはいけない。津波からの避難は「遠く」より「高く」が重要だという。またどこに避難するかを事前に話し合っておくことも大切だという。

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(明日をまもるナビ)
南海トラフ地震臨時情報 分かれた対応

JR東海では南海トラフ地震臨時情報の発表を受けて、新幹線の一部区間で速度を落として運転を行い、一部特急を運休にした。高知・黒潮町は「高齢者等避難」を発表し、要支援者には電話などで避難を促した。しかし避難者は町全体で7人にとどまったという。臨時情報の呼びかけ期間はお盆休みシーズンだったこともあり、様々な影響が出た。和歌山・白浜町は臨時情報発表の翌日から町内の全海水浴場を閉鎖。白浜町のある旅館では3日で489件のキャンセルがあり、売り上げは5000万円ほど減る見通しだという。高知のよさこい祭りは予定通り開催された。主催側はSNSなどを活用した避難誘導に注力した。さらに会場ごとの避難経路の地図も急遽準備したという。

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南海トラフ地震臨時情報 分かれた対応/どう行動したのか/メッセージは伝わったか

高知県の黒潮町は、今後は巨大地震注意を受けて避難情報の発表で避難呼びかけをしない方針を固めた。関谷教授が備えるべき地域で行ったアンケート調査で、南海トラフ地震臨時情報を約8割の人が見聞きしたと答えられた。見えてきた課題は、一番重要な避難場所や避難経路の確認をした人は6%しかいなかったこと。臨時情報が出されてたとき、政府は「“日常生活”を行いつつ日頃からの地震の備えを再確認する」と発信していた。関谷教授は、初めて南海トラフ地震臨時情報を出すのでパニックを起こすのではないかと気にしたのではという。日常生活が強調されたが、本来は“備えを再確認”をすることを強く言わないといけなかったという。

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南海トラフ地震臨時情報 対応の見直しは

南海トラフ地震臨時情報の発表から1ヶ月が過ぎた9月、国の作業部会が開かれた。ライフライン企業や交通機関など業種ごとに対応指針を策定することや、自治体が避難所を開設した場合の財政支援が求められた。作業部会で取りまとめを務める専門家は、「地域特性によって行動が違うから柔軟な形にしてほしいと声が出るかも」などと指摘。内閣府は、防災対策の推進地域にあたる自治体や事業者にアンケート調査を実施し、必要な対策を進めるとしている。こうした中、今後に向けた取り組みを始めた自治体もある。南海トラフ地震臨時情報が発表されるなか阿波おどりを開催した徳島市では、会場では津波からの避難ルートを示したマップが掲示されていた。しかし、一部の会場で避難通路が狭かったと指摘されていることや、避難所に観光客分の備蓄がないことなどが課題として浮き彫りになった。徳島県は、災害時に各市町村と協力して観光客の支援にあたるよう検討を進めるとしている。

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南海トラフ地震臨時情報 対応の見直しは/北海道・三陸沖 後発地震注意情報とは/どういかすのか

関谷教授は、今回8月8日からのお盆の時期で、観光シーズンに南海トラフ地震が起こった場合どうするのかを考えてなかったと指摘。今回の教訓にいろんなケースを考えるということも必要だとした。南海トラフ地震臨時情報と同じような「北海道・三陸沖後発地震注意情報」がある。千島海溝と東日本大震災で割れてない日本海溝の北側でM7.0以上の地震が発生したら、巨大地震発生に注意を呼びかけるもの。災害時の用語は工夫の余地はあるが、それ以前に知らないことの方がまず先に解決すべき課題だとした。和田さんは「日向灘で地震が起こったということは本当に近くで起こり得る可能性が高まってきたというメッセージのように捉えた。番組で知ったことを色んなところで広めていくのは大事」などとコメント。関谷教授は「まずは南海トラフ地震に備える。家族、自分のみを守るためにこういった情報をどういかしていくのか、日頃から考えていかなければいけない」などとコメント。

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(エンディング)
ぼうさい甲子園 女川高等学園

ぼうさい甲子園は、防災活動や防災教育を行う学校や団体を表彰する取り組み。昨年度優秀賞を受章したのは宮城県の高校。東日本大震災で被災経験のある人と防災訓練を行ってきた。被災した経験に基づく意見と高校生ならではの視点。互いに学び合うことを大切にしている。

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1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」優秀賞宮城県立支援学校女川高等学園東日本大震災阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

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