能登半島地震から3カ月。警察庁が調べた228人の死因の約4割が圧死だった。鵜飼地区の消防団のポンプ車などがあった詰め所は、津波到達区域にほど近い場所にあり、付近の倒壊被害は甚大で、家族や本人が被災した団員も多くいた。団員全員が詰め所に集まることはできず、車での移動が難しいなか、現場にたどり着いても資機材がなく、十分な救助活動ができなかったという。副団長がまとめた報告書には、「余震で家屋の倒壊が進み、2階から侵入して頭部に手を当ててみることはできたが、バイタルが確認できず、救出できないまま撤退」「心拍・呼吸もなかったことから心肺蘇生はせず次の現場に向かった、家族の前での活動でもあり、せめて胸骨圧迫だけでもするべきだった」などと記されている。