26日のニューヨーク市場で、およそ37年半ぶりの円安ドル高水準を更新して、きょうの東京市場でも円相場は1ドル160円台での取り引きとなった。市場では、政府日銀による市場介入への警戒感が高まっている。鈴木財務大臣は市場の動きをけん制した。1ドル151円台まで値上がりしたが、その後、再び、じりじりと円安が進む。26日のニューヨーク市場では、一時1ドル160円台後半まで値下がりし、およそ37年半ぶりの円安ドル高水準となった。2か月近くで値を戻した形。背景には、米国のFRBが利下げを急がないという見方が改めて市場に広がったことや、日銀が金融政策の正常化を慎重に進めようとしているという見方が出たことがある。記録的な円安。大手シンクタンクの試算によると、円相場で1ドル160円の水準が続いた場合、今年度の1世帯当たりの支出は、前の年度と比べて平均で9万円余り増えるとしている。一方の企業。円安は、輸出関連の企業を中心に、業績を押し上げる側面もある。ただ、商品や原材料を輸入に頼る小売り業や飲食業などにとってはマイナスの面もあり、業種によって影響に差が出る可能性もある。今後、市場介入はあるのか。注目点の1つが、日本時間のあす夜に発表される、米国のPCE・個人消費支出の物価指数の結果。FRBがインフレの実態を見極める指標としても重視している。上田東短フォレックスの映像。ふくおかフィナンシャルグループ・佐々木融チーフストラテジストは「介入は単なる時間稼ぎ」とコメント。