コメの流通段階で目詰まりがあるとして備蓄米の放出が検討された。農林水産省によると全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、去年の6月ごろまでは5kgあたり2000円~2200円程度だったが一部で品薄になった8月には2600円を超え、9月には3000円、10月には3400円を超えていた。新米が出回るようになれば落ち着いて来るだろうとされていたが、その後も価格は上昇を続け高止まりの状態が続いている。一般的なコメの流通ルートは、生産者、集荷業者、卸・小売業者・消費者となっている。去年の収穫量は679万トンと前年より18万トン増えたが、集荷業者が買い集めた量は216万トンと前年より21万トン減ってしまった。流通が上手くいっていないため、これまで深刻な不作や災害時などに限っていた備蓄米の運用を見直し、コメの流通が滞っていると判断した場合にも放出出来るようになった。専門家は、短期的には価格が下がる可能性はあるものの、中長期的には今後のコメの需給に左右されるとしている。