珠洲市の海沿いにある現代アートの作品で能登半島地震と津波で大きな被害を受けた「さいはてのキャバレー」と呼ばれる施設について管理する市は解体する方向で検討を進めることになった。「さいはてのキャバレー」は珠洲市で3年に一度開かれる奥能登国際芸術祭が始まった2017年に、展示作品の一つとして港にある定期船の待合室だった建物を改装して作られた。その後は芸術祭の情報発信の拠点や、調理室を備えた貸しスペースとして活用されてきたが、元日の地震と津波で壁や窓ガラス、調理器具などが損壊した。施設を管理する珠洲市は被害状況を踏まえ、解体して撤去することが望ましいとして解体する方向で検討を進めることを決め、今月16日、芸術祭の実行委員会に報告した。実行委員会によると珠洲市内には「さいはてのキャバレー」とは別に23の常設展示作品があるが、このうち11の作品が大きな被害を受けていて撤去するか修復するかなどを今後決めるという。実行委員会の事務局を務める珠洲市は「市民の生活再建に最優先に取り組みながら被害を受けた作品をどうするか検討を急ぎたい」としている。