現地で取材している小田島記者に聞く。会場は今どんな様子だろうか。ステージでまもなく2日目のプログラムが始まるところ。トランプ氏と最後まで候補者指名を争い、批判し合ったこともあるヘイリー氏はこのあと日本時間の午前10時過ぎにスピーチを行う予定。この時間帯はこちらでは最も視聴者が多いプライムタイムに当たる。ヘイリー氏は共和党内でトランプ氏の政治スタイルに反発している層や穏健な保守層の受け皿となり、すでに一定の支持を集めていた。スピーチでトランプ氏の支持を呼びかければ、共和党の結束という意味でトランプ氏に追い風になると見られる。前日に会場に姿を見せたトランプ氏はこれまでと大きく印象が変わって、いつもと違って控えめに見えたなどと伝えられているが、そのトランプ氏はどんなメッセージを打ち出そうとしているのだろうか。銃撃事件を受けてトランプ氏がこの党大会を通じ、打ち出そうとしているのが国民の団結。米国の分断をみずから加速させたともいわれてきたトランプ氏が最終日の指名受託演説は団結を訴えるものにしたいという考えを示している。これは大きな変化でより幅広い層に支持を広げる機会にしたい、そうしたトランプ氏のねらいもあると思う。一方、トランプ氏が国民の団結を訴えようとする中で初日に採択された共和党の政策綱領は米国第一主義を前面に打ち出している。トランプ前政権下では、トランプ氏が導入した関税を巡って貿易相手の国や地域が報復措置を講じるなど世界経済に大きな混乱を招いたのは記憶に新しく、仮にトランプ氏が返り咲けば日本を含む世界各国にとってもどう向き合っていくかが問われることになる。