相互関税の発表後、X上では一時「世界恐慌」がトレンドに入った。「世界恐慌から第3次世界大戦の引き金にもなるのでは」「今、歴史の教科書をのぞいているのかな」といった戦争を心配するような投稿もあった。実際、第2次世界大戦前の状況と似ていると指摘する専門家もいる。安倍政権で第1次のトランプ政権との外交政策を支えた兼原信克元内閣官房副長官補はトランプ関税とそれに伴う中国などの報復関税の動きは世界恐慌後の経済のブロック化を思い出させると指摘している。不景気の中、自分の国や相手の国々とのグループ経済だけを関税を引き上げることで守ろうとするという。実際、第2次世界大戦の時には他のグループを排除することで分断が進んでそれぞれの陣営の対立が深まった。その結果、貿易戦争から世界大戦にまで発展してしまった。高い関税の影響はアメリカ国内の景気の悪化や物価高も引き起こしかねない。そうなればトランプ大統領を支持する人たちの生活も苦しくなるのでトランプ政権の支持率も減速するのでは。トランプ大統領で景気が良くなるといういわゆるトランプマジックは来年の中間選挙の前に消えるかもしれないと兼原さんは見通しを示している。日本がすべきことについて、アメリカの政治経済に詳しいみずほリサーチ&テクノロジーズの安井明彦調査部長は、まず落ち着いてどのような影響が予想されるのか。何が不透明なのかを見極める必要があると話す。また、企業に対してはもう関税が上がらない世界には戻らない。何かしら関税は高くなって輸出する時の価格は上がることは明らかなのでそれでももうける方法を考える必要があるとも話している。