偽情報の拡散など、生成AIを巡るリスクが指摘される中、政府は新たな法案を通常国会に提出する方針。悪質な事案に対し国が調査を行うなどとする一方、適正な研究開発を図ることも盛り込んでいて、規制と技術革新の両立を目指したい考え。生成AIを巡っては、生産性の向上などのメリットの一方、巧妙な偽情報の拡散といったさまざまなリスクも指摘されている。こうした中、政府は今月召集される通常国会に新たな法案を提出する方針。法案の骨子案ではAI技術を用いた悪質な事案が発生した場合、国が調査し、結果に基づいて事業者への指導や助言、それに国民への情報提供を行うとしている。一方で、AIの適正で透明な研究開発や活用を図ることも盛り込んでいる。内閣府によると、AIの規制を巡っては、米国が事業者の自主的な取り組みを重視しているのに対し、EUは、極めてリスクの高いAIの利用を法律で禁止するなど、諸外国で対応に違いがあるということで、政府としては規制と技術革新の両立を目指したい考え。政府のAI戦略会議で座長を務める専門家・東京大学大学院・松尾豊教授は、「AIは非常に変化が速く、新たなリスクに迅速に対応するための法律が必要だ」としたうえで「事業者からするとそれはやっぱり営業秘密。どこまでお願いするのかというのも重要な点かなと思う。AIをきちんとした形で活用しながら社会課題が解決していけるそういった方向に進んでいくといいのではないか」とコメント。