先週末から急加速していた円安。今日午前10時半ごろには円安が一段と進み、一時、大台の1ドル=160円台に突入した。しかしその後、午後2時過ぎには155円近辺まで急速に円が買われた。市場では「政府日銀が円買いの市場介入に踏み切ったのではないか」との見方も出ている。一方、神田財務官は介入の有無は明かさなかった。円相場は午後4時半ごろには157円台から154円台まで再び急速に円高が進む場面もあり、乱高下が続いている。今日は祝日でいつもなら財務省は静まり返っているが、円相場の荒い値動きを受けて、多くの報道陣が詰めかけ省内は騒然としている。神田財務官は報道陣から「為替介入との指摘があるが」と聞かれたのに対し「今はノーコメントだ」と話した。そもそも市場で介入への警戒感が強まっているのは、円安に歯止めがかからないから。政府日銀はこれまで、市場が防衛ラインと見ていた1ドル=152円や155円を突破しても口先でのけん制を繰り返し、介入を行ってこなかった。その間、円は売られ続けてきたが、決定的だったのは先週の日銀の対応。円安を食い止めるため、日銀が何らかの対応に動くのではという観測が広がる中、円安阻止につながる追加利上げは見送り、市場が注目していた長期国債の買い入れ額の減額も行わず、いわばゼロ回答だった。これを受けて一段と円安が進み、円相場は今日ついに160円台に突入した。年明けには140円台だったので、4か月余りで20円も円安が進む異例の状況。先ほど再び154円台まで一気に円高に振れるなど、今も荒い値動きが続いている。財務省の映像。