視覚に障害があって文字を読めない人たちに本などを声で読み上げる「音訳」という取り組みがある。50年近く続けている女性、北海道・函館市の森田直子を取材。音訳される対象は、小説やエッセイ、詩集などの文芸書から、自治体の広報誌や商店の折り込みチラシまで、多岐にわたる。視覚に障害のある人のうち、点字を読むことができる人の割合は1割程度。森田は函館視覚障害者図書館も務める。全国視覚障害者情報提供施設協会によると、視覚障害者のための図書施設は全国に84か所。北海道内で手がける人のいなかった、マンガ本の音訳を始めた。全盲の宮武祐子は「声を届けてくれる人がいるのがありがたい」、森田は「誰かが私の声を必要としてくれる限り続けていかなければならない」とコメント。