コロナ禍を経て今、豪華クルーズ船によるツアーが再び人気となっている。海運大手の郵船クルーズは今日、19年ぶりとなる新しい客船「飛鳥III」を7月に就航すると発表した。総トン数は「飛鳥2」を超える5万2200トンと日本最大級の大きさ。一方、総客室数は385室と50室ほど減らした。その目的は船内施設の拡充。最も眺めのよい船首には大浴場を設置。「飛鳥II」では1つだったレストランが6つに増え和食やフレンチ、イタリアンなどを提供する。客室は全てバルコニー付き。中でも最上級の客室ロイヤルペントハウスは2室限定で100平方メートルを超える広さ。新たな取り組みでは「飛鳥2」ではなかったソロバルコニーと呼ばれる1人用の客室を26室用意した。7月20日からの「飛鳥3」の初航海では横浜港を出港し北海道の函館と小樽を巡る。7日間で、価格は98万円から478万円。郵船クルーズの去年1年間の売上高はまだコロナ禍前の6割ほどにとどまり、5期連続で最終赤字が続いているが新たな「飛鳥3」と従来の「飛鳥2」の2隻で収益の改善を図る考え。豪華クルーズ船によるツアーが再び人気クルーズプラネットでは今年に入ってから1泊6万円を超すラグジュアリー船の予約が好調だという。2020年新型コロナウイルスの流行初期に集団感染が発生し13人が亡くなったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。現在の予約は満席だという。今、世界のクルーズ人口はコロナ禍前を上回るまでに成長しているが日本は半分ほどまでしか回復していないため今後、さらに伸びるとみられている。これを狙い異業種からの参入も相次いでいる。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは去年、テーマパーク、ホテルに次ぐ第3の事業として、クルーズへの参入を発表。2028年の就航を目指している。通販事業などを手がけるジャパネットグループもクルーズ船のツアーを展開中。クルーズ体験が初めてという客が8割に上るそう。豪華クルーズ船によるツアーが再び人気老舗企業も新たな顧客の開拓に動いている。およそ35年ぶりに新たな客船を投入したのが商船三井クルーズ。去年12月、「MITSUI OCEAN FUJI」を就航した。従来の客船にはなかったビュッフェスタイルの専用レストランを初めて設置するなど客の自由度を向上させ、より若い世代50代以下にも好まれる工夫をした。実際にこうした世代の予約も好調だという。親会社の商船三井は客船を新たに2隻建造する方針も発表していておよそ1000億円を投資する強気の計画。