北海道別海町の森は針葉樹と広葉樹からなる深いもの。3月、生みからの強い風で木々は曲がってしまうほどだという。森はエゾシカなどの動物を強風から守っているという。風が穏やかな日、森からはキタキツネが砂浜に出てくる。またオジロワシなども確認できる。別海の森は平らな地形で、雪解けが進むと水たまりやぬかるみができる。また木の根元は木が水を吸い上げるためか他の場所よりも雪解けが早い。そんな中、木の根元からエゾリスが保存していた木の実を食べに来る。そして木の下には小鳥が集まる。ぬかるんだ森は木を立ち枯れさせ、そこから鳥は虫を探すのだという。また鳥が空けた穴をエゾモモンガは住処として利用する。別海の森の環境が多くの生き物を支えている。
3月下旬にもなるとそこかしこでフクジュソウの花が見られる。また鳥は木から押し出された樹液を鳥たちは餌にする。繁殖期に備え、鳥たちはこの時期に栄養を蓄える。また小鳥たちよりひと足早く、オジロワシは何年も使う大きな巣で子育てを行う。この湿地の森を拠り所に多くの生き物が命を繋いでいく。森はまもなく命でにぎわう。