中国では経済を牽引してきた不動産市場は低迷が長引く中、5Gや6Gは産業全体に大きな変革をもたらすとされており、活用の幅は広く新たな経済成長の起爆剤としての期待が高まっている。政府は5Gの商用化とともに6G開発の推進チームを立ち上げ、連携した研究が盛んに行われ、欧米よりも先行しているとされている。26日からスペイン・バルセロナで始まった6Gなどがテーマの世界最大級の展示会では、ファーウェイが巨大ブースを設けている。6GやAIなどの技術の進展はオフィスワークの人員削減にも繋がることから、大卒の若い世代の就職難に拍車をかける恐れも指摘されている。中国では当局が調査方法を見直す前の去年の時点で、若者の失業率が過去最悪を記録している。より高速で大容量な通信網ができると、取り扱う情報やデータが多岐に渡り、欧米が中国製品の締め出しの理由に挙げている安全保障上の懸念が大きくなる。欧米と中国の摩擦がネックとなり6Gの規格がバラバラになると、6Gを活用した技術開発の遅れなどの問題にも繋がりかねない。今年から本格化する6Gの規格作りを巡る議論で、中国が主導権を握ろうとしている。