中国で今、問題になっているのは肥満の人の増加。2030年には肥満と過体重の人が、成人人口の7割に達すると予想されていて、政府が対策に乗り出す事態になっている。北京市に住む王がこの日やってきたのは、肥満の治療を専門に行う医療センター。以前は50kgほどだったという王は、出産後に体重が増加し始め、残業が多く、不規則な生活を送っていたこともあり130kgを超えてしまった。血糖値が異常に上がり、思い切って胃を一部切除する手術を受けた。今、中国ではこうした肥満の治療に注目が集まっていて、体重管理のアドバイスを行う小児病院まで登場している。街の人たちも体重が気になっているようだ。多くの人が体重を気にする背景には、政府の方針があった。中国では18歳以上の成人のうち、肥満とその前の段階である過体重の人が、2018年の段階で既に50%を超えていて、2030年には70%に到達すると予想されている。肥満に関連する医療費は、2030年には日本円にして約8兆6000億円に上るという。膨張する医療費に危機感を募らせた政府は、3か年の体重管理キャンペーンを実施すると発表。ホテルや企業への体重計の設置などを呼びかけている。その結果、公園の中にはAI身体測定器があり、体重や身長、血圧を瞬時に測定することができる。様々な対策が講じられているが、肥満の人が増えている背景には何があるのか。ライフスタイルの変化が引き起こしているという肥満の問題。中国政府はこの難局を乗り越えることができるのか。