東京・八王子市で起きた列車を狙った最大規模の空襲で亡くなったのは自分の父ではないか80年ぶりに名乗り出た女性がいる。松本三津子さんと妹の裕子さんはかつて家族で暮らしていた家の跡地を訪れた。戦争で亡くなった父・米蔵さんとの思い出の地。写真は1枚も残っていない。母からは「父は列車の空襲で亡くなった」と聞かされたが詳しいことを知りたいと考え続けていた。中央線の電車が行き交う東京・八王子市の湯の花トンネル。1945年8月5日、アメリカ軍の戦闘機がトンネルに差し掛かった中央本線を機銃掃射。52人が死亡。最大規模の列車空襲だった。今も身元が分からない死者がいる。このニュースを三津子さんが見ていた。急いで戸籍を確認する書類を取り寄せた。亡くなった日時と住所が湯の花トンネルの空襲と一致。きのう2人は初めて父が犠牲になった現場を訪れ花を手向けた。