アメリカが買収を目指すグリーンランドはデンマーク領で1979年に自治権を獲得した。日本の約6倍という面積を持つとともに、人口は約5万6000人となっている。旧ソ連時代から軍事的要衝として知られ、アメリカは1951年にはデンマークと締結した防衛協定に基づき、ピツフィク宇宙軍基地を設置している。北極圏は航路としても注目を集め、北極評議会によると、氷の融解によって去年までの10年間で貨物輸送が37％増加している。一方、中国も一帯一路を北極圏に広げる「北極政策白書」を公表するなど影響力を強めている。対するトランプ次期大統領は「中国の艦船がいたるところにいる」と批判し、デンマークから独立してアメリカに加わることを主張した。専門家の小谷哲男氏はアメリカは天然資源を中国に依存する中で、依存しない形でのサプライチェーンを構築すること、中国の原子力潜水艦が航行する現状を変える狙いがあると見ている。トランプ次期大統領について、デーブ・スペクターは歴史に残るようなことをしたい、乱暴すぎるやり方で現実的ではないなどと話した。気候変動によってグリーンランドの地政学的価値が変わることについて、中野信子はアメリカだけでなく、その価値を見込んでやってくる他の国々はいるなどと話した。
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