北海道地震で震度7を観測した北海道・厚真町の吉野地区から中継。地区では土砂崩れ19人が死亡。現場では2日前から献花台が設けられ町民などが訪れている。厚真町ではインフラ事業は概ね完了した一方、被害を受けた森林の再生が課題で、少なくとも数十年はかかるとされている。地震で被災した森林は厚真町など3町で4300ヘクタールに及び、明治以降最大の被害となった。厚真町は被害を受けた森林の4分の3を占め、林業の基幹産業の一つとして町の経済を支えている。しかし地震の影響で町の林業会社は1社のみとなった。林業会社の社長によると、地震で重機3台が土砂に埋まり、林道は寸断するなどの被害が出た。一時は廃業も考えたが、倒木の処理など町民からの依頼が相次ぎ、自分達が立ち上がらなければ町は復興できないと事業継続を判断した。まず取り組んだのが植林で、道などと連携しこれまでに10ヘクタール約2万本を植えた。木を育て出荷できるまでは約50年で、次世代の担い手を育むために北海道庁が作成した一次産業をPRする動画に出演するなどアプローチしている。地震後に会社では30代3人を雇用している。道庁などは去年、森林再生に向けた5年間の計画を作成し集中的な取り組みを進めているが、これまでに植林などの作業が終わった割合は被害の受けた森林の6%に過ぎない。主な要因は急な斜面で植林が行えず自然回復に委ねていることなど。今は倒木を販売できているが、価格下落も進んでおり、林業の環境も厳しくなっている。